求人票の記載内容と実際の労働条件の相違

今年8月に厚生労働省から「ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」(平成28年度)が発表されましたが、これによると平成28年度における申出・苦情等の件数は9,299件(前年度10,937件)、内容別では下記のようになっています。苦情の内訳は

1、賃金 28%(前年度24%)

2、就業時間 21%(同19%)

3、職種・仕事内容 14%(同13%)

4、選考方法、応募書類 11%(同12%)

5、休日 10%(同9%)

6、雇用形態 8%(同7%)

7、社会保険・労働保険 7%(同7%)

 

求人条件と実際の労働条件が異なる場合

ハローワークでは求人を受理する際に原則として対面で求人条件を点検する等、求人内容の適法性・正確性の確認に努めているほか、採用結果の確認時に相違がある旨の報告を受けた場合は、事実を確認し、必要に応じて是正指導をしています。求職者から「求人条件と実際の労働条件が異なる」と言った相談があった場合には迅速な事実確認や是正指導のほか、法違反の恐れがある場合は以下のような対応をしています。求人票の内容の変更、職業紹介の一時保留、求人取消、求人票に合わせた労働条件に変更等があります。

 

要因別の割合は

求人票と実際の相違についての要因は「求人票の内容が実際と異なっている」39%と「求人者の説明不足」25%で全体の3分の2を占めています。「よくあるトラブルとしては

・求人票より低い賃金であった

・求人票と違う職種であった

・求人票と違う仕事内容であった

・正社員と聞いて応募したら非正規雇用であった

・採用直前に言われていなかった勤務地を提示された

・始業時刻の30分前に出社しなければならなかった

・社会保険や雇用保険に加入となっていたのに加入していなかった

等が挙げられています。

トラブルで会社の悪い印象を与えたりしないように気をつけたいものです。

行為計算否認の対象と逋脱

同族会社規定を非同族会社にも適用

昭和40年12月15日の東京地裁判決は、法人税の負担の不当減少と認められるか否かは、「当該行為計算が経済人の行為として不合理、不自然のものと認められるかどうかを基準としてこれを判定すべきものであり、同族会社であるからといって、この基準を越えて広く否認が許されると解すべきでないと同時に、非同族会社についても、右基準に該当するかぎり否認が許されるものと解すべきである」、としています。

その後、類似の判決はあったようですが、当時は、同族会社行為計算否認規定は創設規定ではなく確認規定と解する考え方があったため、非同族会社に対しても、このような文理無視解釈の判決が行われました。

今では、組織再編や連結納税での行為計算否認規定が創設されているので、確認規定説を唱え得る環境ではなくなっています。

 

行為計算否認の先に逋脱がある

昭和33年5月29日の最高裁判決に係わる争訟は、地裁・高裁・最高裁のすべてで納税者勝訴だったものですが、その最高裁に芝税務署長が提出した上告理由書は、次のように述べています。

・・・・同族会社の行為計算否認の規定は、否認される行為計算が合理的であるか否かに関するのではなく、徴税官庁の関心の対象となるのは、逋脱があるか否かの点であって、会社の行為計算自体が果して経済的に見て合理的であるかどうかは、徴税官庁の干渉すべき限りでない。・・・・

戦後初期の時代を反映してか、行為計算否認の対象は逋脱の有無としており、適法で税法違反がなくても、刑事法規・偽り不正条規に触れるとの認識が表現されています。最近露骨にいう人はいませんが。

 

今でも言っている人はいます

上記の上告理由書は、昭和25年の法人税法改正で、行為計算否認規定の文言が変わり「逋脱」の文言が消えたけれど、改正前後の主旨目的は同じといい、税務大学校の論文集「税大論叢」などを見ていると今でも、「同族会社の行為計算の否認規定を適用した場合に逋脱犯の成立を一切否定するのであれば疑問である」と言っている人がいます。

逋脱や偽り不正行為は、共謀罪に直結する概念なので、適法行為計算との回路があるのは、怖いことです。

途上国の日本中古車輸入ビジネスと日本の消費税

途上国での日本中古車販売ビジネス

海外から日本の税金に関する問い合わせで比較的多いのが、「日本から中古車を輸入して途上国で売る際の日本の消費税をどうしたら還付できるか?」というテーマです。

 

輸出に係る消費税は免税が原則

具体的な数字で流れを説明します。

中古車マーケット(=自動車オークション)にて20万円でトヨタ車を買います。国内での購入なので、8%の消費税がかかり代金は21.6万円となります。オークション費用やリサイクル費用などの諸経費、さらに日本から輸出の船賃や本国での輸入代金として1台あたり10万円かかったとします。合計原価は30万円+消費税1.6万円です。

これを本国にて40万円で販売したとします。消費税を負担したままだと利益率は21%、消費税の還付を受けると25%です。

消費税の還付を受けられるか否かで利益率が大きく変わってきます。

<原則:輸出に消費税はかかりません>

輸出される物品(中古車)に消費税はかかりません。でも、オークションで購入する際は国内の売買なので、消費税がかかります。ただし、輸出免税なので、消費税の確定申告をすれば消費税は還付されます。

 

立ちはだかる現実の壁!

海外在住の外国人や外国法人には古物商の許可取得が難しい事もあり、消費税分を免税扱いにして還付してもらうことはかなり難しいのです。その理由は主に2つです。

1.日本に子会社を設立(=国内で自動車の中古市場に参加するには、警察に古物商の許可申請が必要)して消費税の確定申告をすれば還付されるが、その場合、法人税等の申告もしなければならない。子会社の維持費を賄うためには、その分の固定費を回収できるだけの売上利益が必要となる。そこまでの事業規模は見込めない。

2.日本に子会社を持たない場合、中古車を直接調達できないので、知人から購入し、輸出してもらうことになる。本来は、その知人から輸出として購入する際には輸出免税扱いなので消費税はかからない。しかし、知人は、個人事業としている者が多く消費税の申告していないため、代価は消費税込みの金額となってしまっている。

※現実的には、「輸出は免税」が通じない取引の世界となっているのが実態です。ある程度の事業規模が見込めないとなかなか難しいビジネスです。

住宅ローン控除と租税回避

資金に余裕がある人は住宅ローン不可?

ネットサーフィンしていたら、「租税回避行為に関する一考察」という論文に遭遇しました。その論文は、冒頭の部分で、「住宅借入金等特別控除の制度があるが、この制度を利用するために、納税者が、居住用家屋を取得するに当たって、銀行に十分な預金があるにもかかわらず、銀行からの借入によって住宅建設資金を調達し、税額控除を受けた場合、租税回避として否認されるのであろうか」と問いかけをし、その論文の、末尾の部分で、「他に正当な理由がないとすれば、租税回避目的が主たる目的の場合に該当する可能性が大であろう。・・・・住宅借入金等特別控除の制度は税法上の固有概念であり、かつ、課税減免規定であることからすると目的論的解釈からしても否認されることになろう」と書かれていました。

税務調査にでもなって、先に、資金の余裕は十分という言質をとられてから、偽り不正と指摘されたら、逃げ道を失うことにならないでしょうか。

 

もっと過激に贈与税回避も

親の預金を担保にした預金連動型住宅ローンだと、預金額より低い住宅ローン残高の金利は0%になり、金利負担がないことになり、毎年の110万円贈与と組み合わせたら、親からの、住宅資金贈与にかかる贈与税課税回避策にもなり、同時に所得税節減策にもなります。

そうすると、こんなのも勿論、否認される、と言われますね。

 

目的論的解釈って何だ

全て適法だが、その課税回避行為は制度を濫用している、というのが不当行為計算否認なのに対し、全て適法に見えそうだが、法の趣旨目的に合致することという要件を付加して解釈をすると不適法との結論になる、というのが目的論的解釈です。

外国税額控除余裕枠彼此流用訴訟や旺文社HD訴訟での判決で採用されたと言われています。

租税法律主義は憲法規範であり、課税要件の法定、課税要件の明確、により課税の予測可能性を確保することを内容としているという原理を踏まえると、条規の文理からは予測できないような解釈になるのは、容易に採用されるべき解釈方法ではない、のではないでしょうか。

事前確定届出給与 届出額を支給しなかった場合

届出額と支給額が違えば原則損金不算入

事前確定届出給与について「届出額と実際の支給額が違ったらどうなのか?」という質問をよく受けます。結論からいうと、届出どおりの支給が行われなければ、基本的には支給額の全額が損金不算入となります(未払計上は原則認められません)。

 

一職務執行期間中複数回支払いがある場合

一職務執行期間中に複数回の支払いがあるときは、少し取扱いが複雑になります。

次の設例で考えてみましょう。

(例)当社(3月末決算)が定時株主総会(H29.5.26)にH29.12.25及びH30.5.20に200万円ずつ支給する旨を決議し、事前確定届出給与届出書を提出している

ここで3つの支給パターンを検討します。

  12月給与

(H30.3決算)

5月給与

(H31.3決算)

100万円支給× 200万円支給×
200万円支給〇 400万円支給×
200万円支給〇 支給なし(―)

(〇…損金算入・×…損金不算入)

届出どおりの支給が行われているかの判定は、一職務執行期間(H29.5.26から1年)に支給が複数回にわたる場合には、「職務執行期間の全期間」を一単位として行います。

(イの場合)12月分が届出どおりに支給されなければ、職務執行期間のすべてが定めどおりに行われないことが確定するため、支給のすべてが損金不算入となります。

(ロの場合)12月分を届出どおり支給していれば、H30.3月決算時点では、損金不算入とする理由がありません。そのため、200万円を損金算入する申告が認められます。

その後5月に届出どおりの支給がなければ、前年度12月分も損金不算入となり、本来修正申告が必要となりますが、支給しなかったという事実が前年度の課税所得に影響を与えるのも変な話ですので、5月支給の400万円のみが損金不算入とされます。

(ハの場合)5月分は届け出たものの支給しなかったため、不算入とする金額もありません。申告調整も行わないことになります。

 

特定の役員だけが届出どおりでない場合

複数の役員について事前確定届出給与の届出をしている場合に、特定の役員のみ届出通りの支給をしなかったときは、役員全員分の給与が損金不算入の対象とならず、その届出どおりの支給をしなかった役員の給与のみが損金不算入となります。

副業・兼業をめぐる企業の実態とこれから

今年の3月に政府の働き方改革実現会議で「働き方改革実行計画」が示されました。主な項目は

1、同一労働同一賃金等非正規雇用の処遇改善

2、賃金引き上げと労働生産性向上

3、罰則付き時間外労働の上限規制の導入等長時間労働の是正

4、柔軟な働き方がしやすい環境整備等

が挙げられています。

上記項目のうち4の柔軟な働き方がしやすい環境整備等の一つとして「副業・兼業の推進」がありますが、この事に関して企業の対応はどうなっているのでしょうか。

 

禁止している企業の割合

今春に働き方改革実行計画案が発表された時には、経済産業省の研究会報告書の発表では「副業・兼業を禁止している」企業の割合は77.2%でした。また、就業規則において禁止している企業が48.0%、「副業・兼業に関する規定自身が無い」企業が39.6%(2017年2月リクルート社調べ)でした。しかし最近、ある大手情報通信業が1万8千人いる社員の副業を認める就業規則に変更したことで話題になりました。

働き方の多様化で新しい仕事を通じて腕を磨き本業に良い影響をもたらしてほしいと言う事です。

 

メリットとリスクの両面から考える

上記のように副業や兼業に関して否定的な企業や、容認しない事が前提で規定自体が無い企業が多いのが現状です。副業については「社内で作ることのできない人脈を作ることができる」と言ったメリットもありますが、社内情報流出や個々人の労働時間の増加と言ったリスクもあります。

 

今後の方向性

厚生労働省のモデル就業規則も改定予定で副業・兼業について「原則容認」とする方向で改定され、推進のガイドラインが示されるようです。企業が規則を作る時には原則容認としても届け出や通知の義務は必要とするかもしれません。企業としてはメリットとリスクの両方を勘案し、社員の副業・兼業に対して容認か禁止かどのような考えで臨むのか十分検討する必要があるでしょう。

仮装隠蔽と偽り不正

法人税法と国税通則法の仮装隠蔽規定

隠蔽仮装に関しては、法人税では、役員給与の損金不算入、不正行為の費用の損金不算入、青色申告の承認申請の却下・取消し、の4条文に規定があり、 国税通則法では、重加算税の条文にのみ規定がありますが、刑事罰の規定にはなっていません。

仮装隠蔽の誤ちを犯したというだけでは、損金不算入・青色却下取消・重加算税の行政制裁を受けるだけです。

 

法人税法と国税通則法の偽り不正規定

偽り不正に関しては、法人税法では、罰則を定める2条文に規定があり、「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金」等の刑事罰の規定となっています。

国税通則法では、更正処分期間制限7年への延長、延滞税の計算除外期間排除、時効の2年延長、その他全部で5条文に規定がありますが、刑事罰の規定にはなっていません。行政制裁の規定です。

 

意見がバラバラ

個別税法の刑事犯に該当するものに限って国税通則法の偽り不正条規が適用されるべきなのか、個別税法の偽り不正の条規と無関係に国税通則法の偽り不正条規が適用されてよいのか、そもそも両法律の概念は同じなのか、さらに「偽り不正」と「仮装隠蔽」の概念の範囲の広狭も、学者等の意見はバラバラです。

ただし、判例と当局側見解は統一されつつあり、「仮装隠蔽」より「偽り不正」の方が広い概念としています。

 

ここでも赤信号無視状態

行政処分規定の「仮装隠蔽」より刑事罰規定の「偽り不正」の適用範囲がより広いというのは、法構造としておかしい、と言わざるを得ません。偽り不正該当なら、本来的には刑事訴追をするべき対象です。

平成28年度の刑事訴追件数は41件、1件当たりの脱税額は8500万円です。仮装隠蔽の調査指摘件数は、査察件数の3桁も多く、1件当りの税額は何分の1かです。

実態としては、偽り不正の追及は、仮装隠蔽の追及よりはるかに範囲が狭く、悪質度の高いものを対象にしています。

 

ここでも赤信号無視者と同じ状態

実態に合わせた理解があるとすると、既に刑事犯既遂であるが、ほとんどの場合において、訴追を免除・放置されている、ということになります。赤信号無視の既遂者と同じ扱いです。

質的向上目標の設定

目標管理制度における目標設定では、数量化が難しい「質的向上目標」の設定をしなければならないケースが生じます。

例えば、経営戦略上「マーケティング施策の質的向上」が重要とされ、経営目標として示された場合をモデルケースとして採り上げて見ましょう。

その場合、マーケティング部門では組織目標・達成基準の適切な設定が課題となります。

 

質的向上目標設定のカギ

「質的向上目標」以外の「成果の量的達成・業務プロセスにおける効果の量的達成目標」では、達成基準が数量的に設定しやすいと言えますが、「質的向上目標」では、一般に次の課題解決がカギとなります。

①何をもって目標達成基準とするのか、達成度を評価する項目の設定(一般に複数の評価項目と評価基準・重要度ウエイト)

②客観的評価方法の設定

誰がどのように評価するのか、本人以外の評価者の決定

 

[質的向上目標・達成基準]例

目標:「商品展示会の効果性向上」

評価項目 評価基準 ウエイト
顧客の反応 商談アポ件数 40% 70%
商品試用件数 10%
デモ視聴者数 10%
説明書受取り数 10%
展示の質 USP訴求展示(注) 20% 30%
layoutの巧みさ 10%

(注)USP:Unique Selling Proposition

(独自の売り提案)

 

客観的評価方法の設定

評価の公正性・納得性を確保するため、事実状況の観察に基づく客観的評価方法を設定する必要があります。

上記の例で、「顧客の反応」の評価基準については、客観的観察データで評価することができますが、「展示の質」の二つの評価基準については、自分達が共同で努力した結果である、展示の質について、最も経過の状況事実を知っている仲間の「相互フィードバック」による評価方法、例えば全員が参加し、5点法による採点で評価するような方法を採るのが適切です。

 

経営者・管理者の留意点

このような目標達成基準の設定・評価方法は、チームワークの強化にも役立ちます。

届出期限には、要注意!「事前確定届出給与」とは

「事前確定届出給与」とは?

法人税法では、原則として役員へのボーナスを損金に算入することは認められていません。しかし、事前に税務署のお墨付きをもらい、損金算入が認められるものがあります。これを「事前確定届出給与」といい、具体的には次の①と②に該当するもの(職務執行前に支給時期や支給額が決まっていることが確認できるもの)をいいます。

①定め その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与
②届出 届出期限までに納税地の所轄税務署長に事前確定届出給与に関する届出をしているもの

 

事前確定届出給与に関する定め

この事前確定届出給与の適用を受けたい場合には、①の定めを定時株主総会又は取締役会の議事録に残します(「いつ」「誰に」「いくら」払うという事項の記載が必要)。

【例】議長は、下記の事前確定届出給与を支給したい旨を提案し、その承認を受けた。

支給日:平成〇年〇月〇日

支給対象及び支給額

代表取締役△△   〇〇〇円

 

届出書の届出期限には要注意!

次に②の届出を所轄の税務署に提出します。届出期限は次のAとBのうち、いずれか早い日になります。

株主総会等の決議の日から1月を経過する日
会計期間開始日から4月を経過する日

例えば、3月決算法人(定時株主総会5月20日)の場合には、Aが6月19日、Bが7月31日となり、AとBの早い日である6月19日までが届出期限となります。

 

届出は「役員ごと」「職務執行期間ごと」

②の届出には、次の届出書と付表をセットにして提出することになります。

届出書 1枚 「決議をした日」「決議をした機関」「届出期限となる日」などを記載
付表1・2

事前確定届出給与等の状況

支給人数分 対象者氏名(役職名)・職務執行期間(総会日~)・事業年度(執行期間開始日の属する会計期間と翌会計期間)など記載

事前確定届出給与は、役員ごと、職務執行期間(定時総会日~次の総会日)ごとで個別にエントリーする形になります。

共謀罪と会社・暴力団の節税

税理士会総会での質問と回答

税理士会の機関紙の記事によると、今年の定例総会で、次の質問がありました。

衆議院における参考人意見陳述では当事者に節税の意図しかなく、脱税が行われなかったとしても申告前に捜査当局により脱税のおそれがあるとされた場合には、当該法人税等の修正申告をした税理士が捜査対象となる旨の発言があったことから、税理士会として、どの様に考えているか教えていただきたい。また、会員に対する情報提供について教えていただきたい。

これに対する回答は、次のようなものでした。

質問のような正当な事業活動を行っている一般の事業会社は、毎年脱税を繰り返しているというだけでは組織的犯罪集団に当たることはない旨、第193回衆議院法務委員会において政府参考人からの答弁があった。さらに、日税連においても国税庁を通じて情報収集に努めており、いずれ会員に周知すると考えられる。

 

国会の政府参考人の答弁

・・・・所得税の免脱等の実行を計画する例といたしましては、例えば暴力団がその組織の維持運営に必要な資金を得るために、組織的に所得を隠匿して脱税することを計画するといったことは考えられる・・・・脱税の目的がなければ、もうその会社は解散いたします、あるいは、そこには結合しません、そういうことであれば、脱税が共同の目的になると思います・・・・脱税を計画していること、あるいは仮に何回か繰り返しているからといって、その団体の目的が脱税にある、あるいは犯罪実行の目的にあるということにはならない・・・・

これは、答弁の部分抜粋です。この答弁によると、暴力団も脱税の目的を放棄したら解散するような団体ではないから、「偽り不正の租税回避」計画の実践をしても、共謀罪で問えないことになります。

 

政府側答弁は暴力団を守ってくれるか

暴力団が租税回避プランで共謀罪に問われたとき、脱税目的なんかもたなくなっても組織の解散などありえないのだから、そもそも「組織的犯罪集団」には該当しない、と主張しても、法律条文の文理からはそのような解釈は出てこない、と言われるのではないでしょうか。

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