‘資産税’ カテゴリー

えっ、納税まで クレジットカード対応?

給与の源泉税もクレジットカード払い

平成29年6月12日(月)から、e-Tax(国税電子申告・納税システム)から「国税クレジットカードお支払サイト」へのアクセスが可能となりました。源泉所得税の申告・納付は、銀行に出向いて窓口で納付するよりも、インターネットバンキングで納付する方が楽ですので、税理士自身e-Taxを使い、関与先にも利用を勧めている方も多いでしょう。6月下旬に源泉税の納付の際に、いつもと画面が違い、「あぁ、クレジットカード納付がいよいよ始まったのだな」と気づかれたかもしれません。

 

クレジットカード払いの利便点

出張の際の新幹線や航空券の購入、ホテルの宿泊代の支払いはもちろん、毎月の電気、ガス、電話代にいたるまでクレジットカード払いができるようになっています。

クレジットカードの請求書に添付される「ご利用明細書」等は、①その書類の作成者の氏名又は名称、②課税資産の譲渡等を行った年月日、③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容、④課税資産の譲渡等の対価の額、⑤その書類の交付を受ける者の氏名又は名称が記載されていることが一般的ですので、消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当することになります。その意味で、会計帳簿の記帳の観点からも、クレジットカード払いには利便性があると言えます。

 

経理の本音(会社の電話代等一部のものの支払いにクレジットカードは使わないで!)

 このように利便性の高いクレジットカード利用ですが、経理担当の目から見ると(=経理をチェックする税理士もしかり)、支払に充ててほしくない使途先があります。具体的にいうと、電話代などの実際の利用に比べて支払いが2か月近く遅れる支払です。

電話代の請求は、通常利用月の翌月に請求書が発行され、口座振替の場合は翌月末日等、大体はひと月遅れで精算されます。これがクレジットカード払いとなると、約ふた月遅れとなり、決算確定の最終金額の数字確認が遅れる場合もままあります。

利用によるポイントが付いたり、資金の後払いとなったりと、お得感の大きいクレジットカード払いですが、実際の運用に際しては、経理担当者等の意見も聞いて、会社全体として賢く使ってほしいものです。

そう言い忘れていました、国税のクレジットカード払いは、このシステムの受託業者への手数料が発生しますので、お得感はその分目減りします。

なぜ手の内を教えなければならない!? BEPS行動計画12

早い者勝ちの節税戦略

国内・国際を問わず租税戦略計画(タックス・プランニング)は、いかに、合法的な範囲内で税法の隙間を見つけ、租税負担を少なくするかの頭脳勝負ともいえます。対戦するのは、納税者(+アドバイザーの税務専門家)と税務当局(=現行税法)です。

先に税法の隙を見つけた者が合法的に節税し、それに対して後から国税側が税制改正で蓋をするという鼬ごっこです。典型的な例が、相続税法における贈与税の納税義務者の定義から外れるような(税法の)想定外の動きをして、約1,330億円の贈与税を回避し、最終的に最高裁で課税されないとの判決を受け、400億円の還付加算金まで受けた武富士贈与税事件です。

 

行動計画12:義務的開示制度

OECD(経済協力開発機構)のBEPS(Base Erosion and Profit Shifting=税源浸食と利益移転)プロジェクトの行動計画12は、租税回避を抑制するとともに出現した租税回避スキームに速やかに対処するため、プロモーター(=節税アドバイスをする専門家のこと)及び利用者が租税回避スキームを税務当局に報告する制度(義務的開示制度)の策定について検討しています。これって、平たく言うと、節税戦略の手の内を明かせということです。練りに練った租税戦略を開示すると、税法改正で蓋をされるまでの時間が短くなります。プロモーターの商売あがったりです。

 

企業への影響と経済界の意見、実現可能性

日本の経済界は、「一部の多国籍企業によるアグレッシブ・タックスプランニング(ATP)を抑止し、税源侵食の防止、及び平等な競争条件の確保を図るとの行動12の趣旨は理解できる。BEPSを推進するプロモーター、それらスキームを利用・開発する濫用的納税者は厳しく取り締るべきである。」と評価しながらも、事務負担増の観点から消極的な意見を出しています。

国際租税戦略計画に詳しい税理士に聞いたところ、その人は税制調査会委員の某大学教授から「おそらく日本の経済界が反対して難しいだろう」という話を直接聞いたことがあると教えてくれました。また彼自身の見解でも、報告に際しての事務負担(納税者側かプロモーターかの問題を含む)の観点から、国内税法で近々に義務化されることには疑問を持っているようでした。

相続税の税務調査 香典帳も税務調査で見られるの?

悩ましい?お線香の上げ方の作法

最近、喪家に弔問に伺い、お悔やみを申し上げる機会が増えました。悩ましいのはお線香の上げ方。御葬儀に参列するときは、前列の方の作法を真似れば良いのですが、後日、お伺いする際にはそういう訳にはいきません。仏式の場合、お線香の本数だけでも宗派によって次のように異なります。

(一般的なお線香の本数)

天台宗・真言宗 3本を立てる
曹洞宗・臨済宗

浄土宗・日蓮宗

1本又は2本を立てる等
浄土真宗 1本を寝かせる等

喪家にお尋ねしても「お気持ちで結構ですので…」と気を遣われることも多いので、その時はご自身の宗派の作法でお線香を上げても失礼には当たらないようです。

御香典の表書きも、四十九日前ならば「御霊前」、後ならば「御仏前」なのですが、浄土真宗では「御霊前」が使えない場所もあるようです(御通夜等でも「御仏前」)。宗派が不明の場合には、どの宗派でも使える「御香料」とするのが無難かもしれません。

 

税務調査で「香典帳」が見られる?

一方、お線香を上げて頂く喪家の方では、葬儀に参列された方は「芳名帳」、御香典を頂いた方は「香典帳」に記しますが、相続税の税務調査では、これらを見せてほしいと言われることがあります。被相続人と関係がある金融機関や取引先が記載されているので調査の重要な資料となるからです。

同様の趣旨からご家族の電話帳の提出を求めたり、壁に掛けた金融機関のカレンダーを確認されたりすることがあります。

 

香典メモを破って棄てたのがバレた?!

このような資料は求められれば提出せざるを得ないのですが、その対応を相続人が誤ってしまった事例が国税不服審判所の裁決(平成28年3月)にあります。

この相続人の提出した申告書には、ある金融機関の公社債の申告漏れがあったのですが、税務調査の際に香典メモの提出が求められました。相続人の方はその金融機関が弔問の際に支払った香典5,000円の部分をメモから破り、調査官に提出したのですが、後で見つかってしまったようです。この行為が「相続財産(公社債)を隠蔽する態度」と見られ、重加算税の賦課要件に当たるかどうかが争われました。法律以前に何だかしまらない話ですね。

平成29年4月以後の相続・贈与より 相続税・贈与税の納税義務の見直し

相続税・贈与税の納税義務が改正!

相続税・贈与税の納税義務者は、国内・国外財産を問わず課税される「無制限納税義務者」と国内財産のみに課税される「制限納税義務者」の区分に大別されます。

平成29年4月以後の相続・贈与から、納税義務者の範囲が見直され、富裕層の海外流出(アウトバウンド)に対しては課税の強化、高度人材外国人の受入(インバウンド)に対しては課税の緩和が図られました。

 

富裕層の海外流出に対応した改正(増税)

・「5年ルール」を「10年ルール」に改正

改正前には、日本国籍を有する者が課税時期に日本に住所を有していない場合でも、被相続人(贈与者)又は相続人(受贈者)のいずれかが課税時期前5年以内に日本に住所を有していれば「無制限納税義務者」とされ、それ以外の場合には「制限納税義務者」とされていました。今回の改正で「5年以内」が「10年以内」と延長されました。

・外国籍である非居住者の課税範囲拡大

また、日本国籍を有しない者が課税時期に日本に住所を有していない場合には、被相続人(贈与者)が課税時期に日本国内に住所を有している場合に限り、「無制限納税義務者」とされていましたが、被相続人(贈与者)が課税時期前10年以内に日本国内に住所を有していた場合も「無制限納税義務者」に該当することとされました。

これらの改正により、富裕層が海外移住しても、日本の相続税・贈与税の「課税の網」にかかる範囲が広がることになります。

 

高度人材外国人の受入整備措置(減税)

一方、被相続人及び相続人双方が一時的に日本に居住する者である場合には、「制限納税義務者」とされ、国内財産のみに相続税・贈与税が課されることとなりました。

相続人等

被相続人等

一時居住者 左記以外の者
一時居住被相続人

非居住被相続人

国内財産のみ

課税

全世界財産課税
上記の者以外 全世界財産課税 全世界財産課税

改正前には、日本人のみならず、日本で就労する外国人が国外財産を相続・贈与する場合にも日本の相続税・贈与税が課税されていました。この場合、本国よりも重い日本の相続税・贈与税が課される可能性もあり、優秀な外国人材が来日を取り止めることも懸念されていました。そこで国外財産については課税しないこととして、来日阻害要因を取り除く措置が講ぜられました。

特に都市部は大幅な上昇 29年路線価は全国平均0.4%増

29年路線価は前年比0.4%増

平成29年路線価が公表されました。全国の路線価の平均は前年比0.4%増。一昨年までは7年連続の下落傾向でしたが、2年連続の上昇となりました。これは3月公表の公示地価と同じです。以前は路線価と公示地価の前年対比率の取り方が異なっていましたが、現在は両者とも「地点ごとの変動率」を単純平均しており大差はありません。

地価公示は「土地の取引価格の指標を与えること」を目的としており、全国で約26,000地点の公示地価を3月に公表しています。一方、路線価は相続税・贈与税の課税価格として用いられるもので、計算の基礎となる調査地点(標準宅地)が約333,000地点です。こちらは件数も多いため、公表は7月となっています。なお、路線価の価格は公示地価の8割程度の評価となります。

 

鳩居堂前の路線価は過去最高額を更新

29年の路線価が前年より上昇した都道府県数は13(宮城県の3.7%増が最高)。下落は32でした(秋田の2.7%減で4年連続最下位)。ただ、下落した県のうち26は下げ幅が縮小したため、全体では上昇局面とはいえます。また、路線価の最高額は、例年どおり銀座の鳩居堂前でしたが、これに加えて「銀座プレイス前」などの4か所も1㎡当たり4,032万円で、バブル期の3,650万円を抜き過去最高とのことです。ちなみに、公示地価の29年の最高額は、同じ銀座の山野楽器本社の5,050万円です(鳩居堂前は公示地価の調査対象ではありません)。

(過去3年間の鳩居堂前の路線価・前年比)

平成27年分 26,960,000円(+14.2%)
平成28年分 32,000,000円(+18.7%)
平成29年分 40,320,000円(+26.0%)

 

上昇傾向はどこまで続くのか…

公示地価は土地の用途別で変動率が公表されており、29年は商業地が2年連続の「上昇」、住宅地は「下落から横ばい」へ、工業地は「横ばいから上昇」に転じています。

これらをあわせて考えると、オリンピック開催で都市部の地価上昇は急激な一方で、住宅需要も団塊ジュニア世代が住宅購入年齢に当たる現在は, 低金利や税制にも支えられ底堅い感じもしますが、先行指標である中古マンションの指標が鈍化していることや、生産緑地指定から30年経過する平成34年には都市圏に土地が過剰供給される懸念も囁かれていますので、オリンピック後の状況はかなり変わるものと予想されます。

平成29年改正・非上場株式の納税猶予 贈与税納税猶予と精算課税の併用可に!

非上場株式の納税猶予の適用数が大幅増!

平成21年に創設された非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予制度(いわゆる「事業承継税制」)。当初は担保提供要件や猶予取消しのリスクなどが強調され適用件数・金額とも少なかったのですが、こまめな制度改正が加えられた結果、ここにきて適用事例がかなり増えてきています。

直近の国税庁の公表数値(平成27年分)では、贈与税は270件(265億円)、相続税は224件(148億円)が納税猶予の適用を受けました。経産省の資料では平成30年の納税猶予適用の前提となる認定が贈与税533件、相続税274件あるとのことですので、今後も適用件数は増えていきそうです。

〔非上場株式の納税猶予の適用件数・金額〕

  贈与税 相続税
件数 金額 件数 金額
H25 78 47.5億円 110 67.0億円
H26 43 49.4億円 127 64.1億円
H27 270 265.7億円 224 148.1億円

この平成29年4月1日からは、経営承継円滑化法の対応窓口も地方経済産業局から都道府県に変更になりました。納税者にとって、より身近な制度となることが期待されますね。

 

贈与税の納税猶予と精算課税の併用可に!

平成29年税制改正では、贈与税の納税猶予について、相続時精算課税制度との併用が認められることとなりました。

例えば、先代経営者から後継者に贈与した自社株2億円について贈与税の納税猶予を適用した場合には、改正前では、その後納税猶予の取消しがあったときには、累進税率の暦年課税で贈与税が課税されますので、贈与税1.3億円の納付が必要でした。

〔改正前〕取消時に暦年課税

贈与時 猶予取消時 相続開始時
納税猶予 暦年課税

1.3億円納税

課税なし

今回の改正では猶予取消時に相続時精算課税を適用できることになりました。

〔改正後〕納税猶予と精算課税併用可

贈与時 猶予取消時 相続開始時
納税猶予 精算課税

3,500万納税

相続税申告

1,360万円

この改正により納税猶予取消時の税負担リスクが軽減されます。将来の経営の見通しが見えないため、納税猶予を躊躇していた経営者にとっては朗報といえるでしょう。

改正後の業種別株価Aは二段表示に 国税庁、平成29年類似業種株価公表

国税庁、平成29年類似業種株価表を公表!

平成29年1月~4月に発生した相続税や贈与税の「取引相場のない株式」(非上場株式)の評価に用いる類似業種比準価額の業種目別株価が、平成29年6月下旬に国税庁ホームページに公表されました。

平成29年税制改正により、業種別株価(A)に「課税時期の属する月以前2年間の平均株価」も適用できるようになったため、この数値がどのような形で示されるのか気になるところでしたが、公表された株価表では、下記のように上段を「各月の株価」、下段を「課税時期の属する月以前の2年間の平均株価」と二段表示する形となりました(自分で平均を出すことはないようです)。

 

〔業種目別株価表〕(単位:円)

株価A/

業種目

平29年

1月分

2月分 3月分 4月分
建設業 242

217

244

218

256

220

256

220

 

新通達による自社株評価の影響は?

この他にも、今回の「取引相場のない株式」(非上場株式)の改正は、①会社規模の判定区分の見直し、②類似業種比準価額方式の算式の改正があり、中小企業経営者にとっては、自社株の評価がどう変わるか気になるところです。

類似業種比準株価については、旧通達では利益の変動が株価に大きな影響を与えていましたが、新通達ではその影響は少し小さくなるようです。例えば、比準要素が「配当1・利益1・資産1」の会社の利益が「1→0.5」あるいは「1→2」になった場合の比準割合は、旧通達では0.70倍~1.60倍のレンジであったのに対し、新通達では0.83倍~1.33倍のレンジとなります。

 

〔利益の増減の類似株価への影響〕

配当 利益 資産 旧通達

の比準割合

新通達

の比準割合

新旧

増減

1.60倍 1.33倍
1.00倍 1.00倍
0.5 0.70倍 0.83倍

 

 

会社規模区分改正のインパクトも大

また、新通達の類似業種の算式では、純資産が大きな会社の評価が相対的に上がる傾向にあるようです。一方で会社規模の判定区分見直しで大・中会社の適用範囲が拡大されることから、実際の改正のインパクトは計算してみないとわからないようです。

 

相続は財産だけでは ありません

相続債務にはご注意ください

被相続人が亡くなって相続が開始されると、相続人が集まって遺産分割協議を行います。遺産分割協議で相続財産の分割を受けなくとも、相続債務は引き受けなければなりません。

どういうことかと言うと、

両親と子供一人の家族で、アパートを所有していた父が亡くなり、母がその後の生活のためにアパートを相続したようなケースで、アパート建設のための借金が残っていた場合、銀行はその借金の返済をアパートを相続しなかった子供にも請求できます。

債権者にとって、相続人が勝手に決めた遺産分割協議に拘束されることはなく、相続人全員に法定相続分に応じた分割債務を請求できるのです。

そうならない為には債権者である銀行等に承認を得ておく必要があります。

遺産分割協議書は、相続人の間では有効ですが、債権者には意味がありません。

 

心配な場合は相続放棄を

相続財産を受け取らず、相続債務に不安があるときは家庭裁判所に申立てをして相続放棄を受けることができます。

相続放棄を受ければ被相続人の債務に関する追及はありません。

相続放棄は自己のために相続があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てしなければなりません。

「知ってから」というのは、相続人と言えども疎遠な場合もあり、知らないうちに相続債務の請求を受けない為の措置です。

 

相続とは権利と義務を引き受けます

相続では財産等権利だけでなく、債務等の義務も相続するのです。

遺産分割協議をおこなう時は財産の分け方ばかりに目が行きがちですが、相続放棄をしないのであれば、債務の引き受け方もきちんと取り決め、債権者の承認を得ておく必要があります。

不動産の附合

不動産の附合

民法の第242条に不動産の附合と言う規定があります。「不動産の所有者は其不動産の従として之に附合したる物の所有権を取得す。」と言うものです。

何やらわかりにくいので、事例で示すと、建物を増築した場合、だれが増築しようとその増築部分は、当初の建物の所有者のものですよ、と言うことです。

 

親子では良くある話

他人名義の建物に金を払って増築する人がいるのかと思われるでしょうが、それが時々いるのです。父親所有の家屋の増改築資金を子供が負担することはよくある話です。例としては、高齢などの理由で父親が増改築資金のローンを組めない場合(子供がローンを組むのも子供が資金を出したことになります。)や、一人前になった子供が二世帯向けにするためなどに自分で資金を用意して、増改築をするような場合です。

 

贈与税がかかってきます

この場合父親所有の家屋に子供が費用を負担して増築したとしても、増築部分の所有権登記を子供の名前ですることはできません。つまり増築部分も以前の所有者である父親の所有とされてしまうのです。これが「不動産の附合」です。

よって家屋の所有者は父親で増築資金を出したのが子供であれば、父親は増築部分を子供から贈与を受けたことになります。増築家屋という利益を手にした父親から贈与税を頂きます、というのが税務の考え方です。(この場合「贈与の意思の有無」は一切関係ありません。)

 

対策は次のどちらかで

贈与税がかからない為の方法は次の二つのどちらかです。(勿論ケースバイケースで、どちらの方法が良いとは言えません。)

方法①:増築前の家屋を父から子供が贈与を受けて、その後に増築する方法

方法②:増築前の家屋の評価額と増築費用の合計額に占めるそれぞれの割合に基づいて、父と子供の共有持分登記をする方法。

贈与税を払わないと言うだけなら②ですが、この際子供の名義にした方が良いと言うような場合などは①とすることも良いと思います。

老人ホームへの入居一時金も財産の贈与です。

夫婦間での金銭のやり取りは原則贈与

夫婦間での生活費のやり取りは、日常生活においてまったく税金など意識せずに当たり前に行っております。

特に、専業主婦の妻が「大蔵省」として家庭の財布を握っている場合もよく見受けられます。

税務上これらの行為は原則贈与税の対象となります。ただし、贈与税の非課税規定において、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるものは非課税とする」と定められているため普段は問題になりません。

 

多額の資金の移動は特例で対応

しかし、多額の金銭や資産が動くと話は別です。多額の金銭を子供名義の預金に振り込むとか、住宅の名義を妻に変えるなどの場合は当然にも贈与税の対象となります。

とはいえ、世の中の変化に対応して税制も、「教育資金の一括贈与」や「配偶者への住宅の贈与」が可能になるような特例措置を講じてきました。

 

老人ホームへの入居金は今後の課題?

老人ホームの入居一時金も多額の資金が動きますから、だれが負担するかによって贈与税の対象となります。

国税不服審判所で争われ、非課税とされた事例と、課税とされた事例が、それぞれあります。

判断の基準は「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるか否か」です。あとは事実関係により判断することとなっております。

 

非課税とされた事例

配偶者を介護付き有料老人ホームへ入居させるに当たり入居一時金(945万円)を支払った事例

 

課税とされた事例

配偶者と共に有料老人ホームに入居したが、主契約者を配偶者とし入居一時金(1億3,370万円)の9割を自分で出した事例

詳細は紙面の都合で省略しますが、金額の多寡が影響している面は否めません。

今後も増える事例と思われますので、安心して老後が過ごせるような特例措置や明確な基準の公開が急がれます。

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