‘法人税’ カテゴリー

遡及日付官報による公布施行の問題点

今年の改正税法の公布・施行の日

今年の改正税法は、3月28日に国会通過し、余裕があったはずなのですが、その後の、御名御璽を得るための天皇への奏上、法律番号を付しての主任大臣と内閣総理大臣の連署、閣議決定、官報の印刷、の何が滞ったのか不明ですが、3月中に発行された官報での公布はありませんでした。

 

Profession Journalで案内

3月30日、税専門の出版社、清文社の関連会社が運営するホームページProfession Journalに、3月31日(土)の官報にて公布予定であるが、官報の販売は4月2日(月)とのこと、との記事がありました。

インターネット官報も、公開されたのは、4月2日の午前零時を過ぎてからでした。日付は3月31日で、特別号外(第7号)となっていました。遡及日付でした。

 

公布の日はいつと解されるか

昭和29年と古い話ですが、覚醒剤取締法の改正法が公布即日施行された日の午前9時ごろ、改正法により重罪となる行為をした人がおり、改正前後のいずれの法が適用となるか争われた刑事訴訟での上告審の最高裁判所は、国民が官報を最初に閲覧・購入できる状態になった時に公布があったといえるとする判断を示して、それを東京の官報販売所において閲覧・購入ができた時刻である犯行日の午前8時30分とし、改正後の重罪適用を可としました。

 

公布日・施行日の税法の定め

国税通則法の期間の定めの原則は初日不算入で、期間開始が午前零時からの時は初日算入となっていますので、改正税法の施行日の前日までに公布しておくというのが、従来だったと思われます。

4月2日午前9時が公布日時とすると、4月1日と2日が改正税法未公布未施行期間となると解することになりそうです。

 

不利益不遡及の税法原則への抵触

税法の遡及適用は可なれど、それは納税者有利規定に限られ、不利益規定に関しては遡及不適用です。この3月31日で日切れになった法律規定に交際費があります。

この規定は、法律の定める期間内に開始した事業年度の交際費の額に対する課税の規定です。しかし、改正新法が4月3日から適用なのだとすると、4月1日開始事業年度の交際費に対して課税できるのか、疑問が生まれてきます。

相互持合株式の評価

相互持合株式の評価計算の目的

相互持合株式の評価についての解説は、最寄りのものとしては、TabisLandで検索すると出てきます。

相互持合いすることにより、持合相手の会社の発行株式の一部を取り込み、また相手も、当会社の発行株式の一部を取込むという関係になり、株式評価の総額は重複評価部分を含んで、累増した見掛けの評価になります。

その見掛け評価部分を排除するための計算方法が、冒頭のネット公開情報です。

 

評価計算をエクセルで実行

評価計算は、連立方程式を解く方法で行う、というのが冒頭の解説ですが、エクセルを使う場合は、

1. 解いた連立算式をExcelに入力する

2. Excelで逆行列数学計算をする

3. Excelで循環参照となる式を作り、

反復強制計算する

という方法があります。

連立方程式は、2元から3元、4元と変数が増えるほど、解く手間は、幾何級数的に増大します。解を得るだけだったら、Excelの MINVERSE、MMULT関数を使った逆行列計算を利用する方が簡単です。さらに連立方程式そのものを解かずにExcelに循環参照となるままの連立方程式を入力して、反復強制計算をさせてしまえば、もっと簡単で、答えはあっさりと出てきます。

 

相互持合株式評価の解からの判明

全部純資産価額評価方式 ( L の割合がゼロの時 )の場合で傾向をみると、

1.相互持合の進行は評価額に価額の重複計算を伴うので評価総額が累増する。

2.しかし、相互持合の進行は評価額に対する旧株主の持分を減少させる。

3.累増した評価額に、減少した持分を乗ずると、元の価額に戻る。

4.従って、株式の相互持合いは、旧株主の株式価値を損なわない。

5.相互持合比率の合計が70%なら、旧株主の持分は30%、99%なら1%となる。

類似業種比準価額方式( L の割合がゼロでなく、特定評価会社に該当しない時 )が適用になると前期決算確定データに依存しているので、評価は期中の変動に鈍感になり、旧株主の持分減少との関係が跛行的になります。

役員報酬は手取額で

士業に多かった手取額契約

昭和の時代では、税理士等士業への顧問料支払いの契約が手取額で定められ、手取額を10%の源泉税控除後の手取率で逆算して、手取額50,000円であれば〈50,000円÷0.9=55,555円〉を顧問料額とするケースが多く見受けられました。しかし、平成になり、消費税が導入され、消費税計算とこの手取額逆算とが馴染みにくかったことから、手取額契約は急速に姿を消して行きました。

 

給与手取額は懲罰的みなし契約

源泉徴収を無視して給与を支払っているものに対しての、取り締まり的通達も昔からあり、手取りから税込総額を逆算し、その額による給与契約と解して源泉徴収税額を算定すると、しています。最近はあまり見かけなくなっています。

 

定期同額は手取額判定の新推進策

ところが、平成29年改正で、定期同額給与の範囲に、支給総額の同額だけではなく、手取額の同額も含まれることとされました。

手取額とは、法令規定によると、源泉所得税、特別徴収住民税、給与から控除される健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・厚生年金基金保険料などの社会保険料を控除した金額となっています。

役員報酬の世界での、手取額契約推進の新制度が出現したと言えます。

 

何遍もの役員報酬額の収束計算が必要

手取額に先の諸控除額を加算した金額が役員報酬の額となります。

社会保険料額の変更は役員報酬額の変更になりますが、課税給与の額は変動しないので、税額計算に影響しません。でも、特別徴収住民税については、その変動の都度、課税給与の総額が変わるので、それに応じて源泉所得税の額も変わります。源泉所得税の額が変わると再び課税給与が変わります。従って、源泉税率表の変更も課税給与額変動の原因になります。年末調整で追徴や還付があっても、同じです。こういう事実発生の都度、給与総額及び源泉所得税を確定させる反復計算を繰り返し、値を収束させる作業が必要になります。

また、年調対象額を超える高額給与の人は、確定申告をしますが、そこでの納付や還付の額については、どう考えるべきか、細かな取扱いはまだ未定のようです。

株式保有特定会社と株式相互持合会社の評価計算

株式保有特定会社通達を変えた判決

取引相場のない株式の発行会社の資産構成が株式の割合50%以上だと、株式保有特定会社とされ、類似業種比準価額方式の適用不可、純資産価額方式のみの評価とされています。

なお、平成25年前においては、株式保有割合25%以上が株式保有特定会社とされていましたが、東京高裁平成25年2月28日判決において、平成9年の独占禁止法改正後、上場会社における株式保有状況が大きく変化し、平成15年度の上場会社の株式保有割合25%を偏差値で示すと58.1となり、上場会社の中で全体の15%に相当する会社において株式保有割合が25%以上となっているとし、株式保有割合25%という数値は、もはや資産構成の著しい偏りと評価できない、と判示されました。これを承けて50%以上と改正されました。

 

相互持合い株式の評価計算

この高裁前の、審判所での裁決、地裁での判決をみると、係争事案は株式相互持合会社の評価に係るものであった為、相互持合いの場合の純資産価額方式の計算の仕方を、当局側見解として披瀝しています。

A社とB社の相互持合いで、①A社が所有するB社の株式の評価額(X)は、B社の純資産価額(b+Y)に持株割合(α)を乗じたものとなる

X=α(b+Y)

②B社が所有するA社の株式の評価額(Y)は、A社の純資産価額(a+X)に持株割合(β)を乗じたものとなる

Y=β(a+X)

このXとYの2つの算式は、αやβ、aやbが実数なので、2元一次連立方程式として解くことが出来る、としています。これと同じ解説は、大阪国税局WAN質疑応答事例として公表の事例番号1559に収録されており、そこには、AB共に純資産価額評価の場合、片方が類似評価併用方式の場合、両方が類似評価併用方式の場合が示されています。算式は、どんどん複雑になっており、これが、2社ではなく沢山の会社の相互持合いだったら、その数倍又はその倍数倍の連立方程式になるので、手計算で解くのは困難です。

ただし、併用でない類似業種比準価格評価の場合には、株式の相互持合いは計算要素に入って来ないので、連立方程式とは無縁で済みます。

新企業会計基準を踏まえた改正 法人税法22条の2が創設されましたが…

平成30年改正で法人税法「22条の2」創設

税理士に「法人税法の中で一番大切な条文は何条?」と聞けば、「22条(各事業年度の所得の金額の計算)」と答える者が圧倒的でしょう。所得の金額をどのように求めるかという原点となる規定です。平成30年税制改正では、この条文の次に「22条の2」が追加されます。これは企業会計において国際会計基準の動向を踏まえて収益認識に係る会計基準が適用されることから、法人税についても「収益認識の金額」「計上時期」の一般的な取扱いを法令上明確にするという趣旨で設けられた収益認識の規定です(この改正にあわせ、返品調整引当金、長期割賦販売等に係る延払基準も順次廃止)。

 

法人税法「22条」の重要度は後退するか?

この条文が追加されても、現行法の考え方が変わった訳ではないので、「22条」の重要性はさほど変わらないと思います。「旺文社事件」という有名な税務訴訟がありますが、これも「22条」が争点の一つとなっています。簡単にいうと、100%親子関係のある会社の子会社が著しく低い価額で第三者割当増資を行ったのですが、親会社の有する子会社株式の株価が希薄化し、新株主に経済的価値が移転するので、旧親会社側で「寄附金/収益」で認識されるとして、当局が課税した事案です。

この第三者割当増資が「22条の取引にあたるのか」という点が争われました。22条の収益の額とは、「資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のもの」とされています。

第一審では、増資をめぐる法律行為は「子会社と新株主」間の行為であり、「(旧)親会社と新株主」との間の法律行為(取引)はないので、22条の「取引」に当たらないものとされましたが、最高裁では、旧親会社が増資会社を完全支配してグループ経営しているという特殊性から「無償の取引」に当たると判示しました。

 

ポイントは「未実現の利得は課税しない」

「取引」という文言を、私法上の法律行為と考えるのか、会計上の取引(資産・負債・資本の増減原因となる事象)と考えるのかという議論もありますが、最高裁判示はそもそも「未実現の利得を課税対象から除外する」という収益認識の大前提から外れているという指摘もあります。収益概念が整理されても、ポイントはそこ。22条から考えないとダメということでしょうかね。

領収証

「領収証」という変な歌があります。30年位前からあるようですが、何故かスナックのママさんに妙に受けています。

歌詞の内容の一部は下記のとおりですが、これが税務調査においては大変なことになります。

 

今夜は、お客のご接待

もらった白紙の領収証

やさしいオカミの思いやり

金額かいてはいけません

日付をいれてもいけません

白紙で下さい領収証

できれば下さい2~3枚

万の位にチョイト棒引けば

みごとにふえます領収証

ボールペンの色がちがいます

収入印紙もありません

 

白紙の領収証を渡してはダメ!

製造業、建設業、卸売業等においては白紙の領収証は発行しないと思いますが、飲食店では、お客さんから「白紙の領収証を下さい。できれば2~3枚」と言われることがあります。これをサービスの一環だと思って気軽に渡すと、後でとんでもないことになります。

 

貰った会社では架空経費になります

渡したお店では売上除外になることがあります。調査官が金額のおかしい領収証が沢山あるなと思ったら、即、反面調査で発行した店に行きます。当然、売上には載っていません。その結果、売上除外で修正申告を出して重加算税をかけられます。

同じように、領収証を貰って経費とした会社に調査が入り、これを資料せんとして取っておき、その後発行した店の調査で売上とぶつけると当然合いません。調査官は売上除外だと言います。店が「それは白紙の領収証の分だ」と言ってもまず通りません。領収証を白紙で渡すこと自体が、脱税の幇助となるからです。

白紙の領収証の発行にはくれぐれもご注意ください。

平成30年度税制改正 国際課税編

改正の中心は、恒久的施設(PE)の見直し、外国子会社合算税制等の見直しです。その主な内容について概観してみます。

 

・恒久的施設(PE)の定義の見直し

恒久的施設(PE)とは、事業を行う一定の場所(支店、工場、一定の代理人、一定の建設現場等も含む)で、国際課税のルールでは、原則、PEがなければ課税はされません。しかし、このPEの認定要件を人為的に外すことによって課税回避が行われてきました。

そこで、今回、①代理人PEの範囲について、外国法人等の資産の所有権移転等に関する契約の締結に関する業務を反復して行う者を追加し、また、本来、PE該当外の独立代理人は、密接な関連を有する外国法人等に代わって行動する場合にはPEと認定する。②保管、展示、引渡し等の活動のみをする一定の場所に関して、その活動が外国法人等の事業遂行上の準備的・補助的な性格を有する場合にはPEと認定する。③建設現場は、PE認定回避を主目的として契約期間を1年以内に分割した場合は、当該期間を合計してPEを認定する。

その他、租税条約上のPEの定義と異なる場合の調整規定等の整備をしています。

適用は、平成31年分以後の所得税及び平成31年1月1日以後に開始する事業年度分の法人税からです。

 

・外国子会社合算税制等の見直し

この税制は、租税回避防止の観点から、一定の条件に該当する外国子会社の所得を日本の親会社の所得とみなして合算するものですが、見直し案では、一定の株式譲渡益については合算の適用対象金額から控除するとしています。

具体的には、日本の親会社が海外の会社を買収、それによって傘下に入った特定外国関係会社等(対象外国関係会社を含む、所謂ペーパーカンパニー)を整理、組織再編するにあたり、当該特定外国関係会社等が有する一定の外国関係会社の株式等を、一定の期間内及び一定の条件で当該特定外国関係会社等に係る外国関係会社等に譲渡した場合に、その譲渡により生ずる利益の額を、当該特定外国関係会社等の適用対象金額の計算上控除する、といったものです。

その他、金融持株会社について、事業基準を満たすとする幾つかの改正がなされています。

適用は、外国関係会社の平成30年4月1日以後に開始する事業年度からです。

平成30年度税制改正 法人課税編2

今回は、競争力強化のための税制措置を中心にその他の改正項目についても概観してみます。

 

株式を対価とする株式等の譲渡(株式対価TOB)に係る譲渡損益課税の繰延べ

現行の税制では、被買収会社の株主が買収会社の自社株式を対価とする買収に応じ、保有する株式等を買収会社に交付(譲渡)した場合、そこには金銭の交付はなく、実質は株式の交換であり、その交換は株式等の譲渡に該当するため、被買収会社の株主に株式の譲渡損益課税が生じます。

この税制が、企業外の経営資源、技術等を取り込み、特定の事業の再編等を迅速に進めていく上で弊害となっていました。

そこで、今回の改正で、特別事業再編(自社株式を対価とした公開買付けなどの任意の株式等の取得)による株式等の交付(譲渡)について、その交付に応じた株主に対する譲渡損益に係る課税を繰延べる、とする特例を創設しています。

なお、この特例は、産業競争力強化法の特別事業再編計画(仮称)の認定を同法の改正法の施行の日から平成33年3月31日までの間に受けた事業者の株式の取得の対価として、保有する株式等を交付(譲渡)した株式等に適用されます。

 

・組織再編税制における適格要件の見直し

スピンオフの実施円滑化のため要件緩和の改正が行われています。具体的には、完全支配関係がある法人間で行われる当初の組織再編成の後に適格株式分配を行うことが見込まれている場合の当初の組織再編成の適格要件のうち完全支配関係の継続要件について、その適格株式分配の直前の時までの関係により判定する、としています。

また、事業再編を円滑にするため、当初の組織再編成の後に完全支配関係がある法人間での従業者又は事業を移転することが見込まれている場合にも、当初の組織再編成の適格要件のうち従業者従事要件及び事業継続要件を満たす、とする要件緩和の改正も行われています。

その他、無対価組織再編成についても、適格となる類型の見直し、非適格の場合の処理方法の明確化を掲げています。

 

・その他の項目

(1)収益の認識基準等については法令上明確化する、(2)返品調整引当金制度及び長期割賦販売における延払基準の選択制度を廃止する。いずれも経過措置が講じられています。

平成30年度税制改正 法人課税編1

法人課税は、(1)賃上げ・生産性向上と(2)競争力の強化等に重点を置いた改正内容です。今回は、前者の「所得拡大促進税制の改組」について、その内容を概観し、後者については次回に譲ります。

改組の内容は、①設立事業年度は対象外とする、②基準年度ベースによる増額の廃止、③計算の基礎となる継続雇用者の範囲を見直し等(当期及び前期の全期間の各月において給与等の支給がある雇用者で一定の者)した上で、大企業と中小企業とで、要件及税額控除に差異を設けています。

適用は、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度です。

 

・大企業の適用要件と税額控除

適用要件は、①平均給与等支給額が対前年度比3%以上の増加、かつ、②国内設備投資額が当期の減価償却費の9割以上であること。

一方、税額控除は、法人税額の20%を限度として、①給与等支給額の対前年度増加額の15%、さらに、当期教育訓練費の増加額が前期・前々期の教育訓練費の平均1.2倍を満たす場合には、控除率を5%上乗せし、20%とする。

なお、3年間(上記適用期間)の措置として、前年度の所得を上回っているにもかかわらず、①当期の平均給与等支給額が前年事業年度の平均給与等支給額を超えていない、かつ、②国内設備投資が当期償却費の1割の金額を超えていない場合には、研究開発税制その他一定の税額控除の規定を適用しないと、としています。

なお、大企業とは、中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く)又は農業協同組合等以外の法人です。

 

・中小企業の適用要件と税額控除

適用要件は、平均給与等支給額が対前年度比1.5%以上の増加であること。

一方、税額控除は、法人税額の20%を限度として、①給与等支給総額の対前年度増加額の15%、②さらに、平均給与等支給額が対前年度2.5%増加し、かつ、教育訓練費増加(前年の1.1倍)等の要件を満たす場合には、控除率を10%上乗せし、25%とする。

なお、教育訓練等(大企業・中小企業共通)とは、国内雇用者の職務に必要な技術又は知識を習得させ、又は向上させるための一定の費用です。

難解な条文 期同額給与の範囲等

役員給与に関しては、原則として、「当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの(定期同額給与)」が、法人税法上損金の額に算入されます。

また、給与の改定があった場合には、改定前後の各支給時期における支給額が同額であることも要件になっていますが、その範囲を定めている条文をどのように読むかが実務上のポイントのように思います。

 

給与改定があった場合の条文

その条文は次のとおりです。

「当該事業年度開始の日」(A)又は「給与改定前の最後の支給時期の翌日」(B)から「給与改定後の最初の支給時期の前日」(C)又は「当該事業年度終了の日」(D)までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの、です(A、B、C、Dは便宜)。

条文が「A又はBのC又はD」の場合、その読み方としては、たすき掛けに読むのが通例だそうです。そのように読むと次のような類型になります。

①AからC:事業年度開始の日から改定後の最初の支給時期の前日

②AからD:事業年度開始の日から事業年度終了の日

③BからC:給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日

④BからD:給与改定前の最後の支給時期の翌日から事業年度終了の日

しかし、選択肢として②と③は本条文の趣旨からして採用できないように思います。

なお、別の読み方として、「A又はBのC又はD」は、「A又はBにそれぞれ対応するC又はD」という意味で用いられることがあり、この場合には、「AのC」と「BのD」とのいずれかという意味であるとしています。読み方としては、後者に賛成します。

 

事例による条文の当てはめ

3月決算法人、給与支給日毎月25日、改定前支給額100、給与改定の総会決議等5月27日、改定後支給額200である場合の事例で検討しています。

・事業年度開始の日(A)から改定後の最初の支給時期の前日(C):4月1日から6月24日⇒4月25日100、5月25日100

・改定前の最後の支給時期の翌日(B)から事業年度終了の日(D):5月26日から翌年3月31⇒6月25日200、7月25日200・・3月25日200

事例の場合、改定前後の各支給時期における支給額が同額になります。

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