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消費税 海外子会社との不課税取引と免税取引

海外子会社への支援は有償で

海外子会社を軌道に乗せるため、本社から様々な支援が行われる場合が多々ありますが、以前は大目に見られてきたこれらの支援を無償で行っていると、海外子会社への寄付金と認定される事案がこのところ多々見受けられます。

例えば海外子会社の経営指導に社長や役員が出張した場合、その旅費や日当は海外子会社に請求しているのか?

海外子会社が生産している商品や生産技術に本社の特許が使われている場合、特許権の使用料は取っているのか?

例を上げればきりがありませんが、いずれにせよ子会社と言えども別法人ですから、第三者の会社と同じ扱いをする必要があります。

 

有償で請求した場合の消費税は

今回問題とするのは、子会社に業務委託料やロイヤリティーとして本社が請求した売上にかかる消費税はどう取り扱われるのかという問題です。

海外子会社へ役務提供した場合の原則は、次の通りです。

海外で役務を提供した場合:不課税取引

国内で役務を提供した場合:免税取引

特許権等はその権利の届国の役務の提供となりますので、日本の特許権であれば国内役務の提供ということになります。

先の例で言えば前者は不課税取引、後者は免税取引と言うことになります。

また、同じ業務委託料でも本社で子会社の事務処理を一部代行しているような場合(パソコンサーバーの利用等)は免税取引となります。

 

課税売上割合の算出に影響が出ます

不課税取引でも免税取引でも消費税が課税されない点については同じですが、課税売上割合を算出する計算式は以下となっていて不課税取引は算入されません。

課税売上割合=(免税売上+課税売上)÷(非課税売上+免税売上+課税売上)

この課税売上割合が95%未満だと、一部支払った消費税が控除できなくなることがあります。

免税品取り扱いの改正

訪日旅行客はうなぎのぼり!

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2015年は1,973万人、2016年は2,403万人、2017年は2,869万人と、近年日本を訪れる外国人は増加しています。いよいよ2018年には3,000万人突破が見えてきそうです。

2015年と2016年の1人当たりの旅行支出額を比べてみると、2016年の方が2万円ほど少なく、一時の「爆買い」ブームもひと段落してしまったのでしょうか。それでも調査値は1人当たり15万円を超えているわけで、外国からのお客さんは今や日本の重要な「稼ぎドコロ」となっています。

 

免税販売の改正はここのところ頻繁

「この商機、逃してなるものか」という事でしょうか、日本の免税店に関する改正が近年頻繁に行われています。

平成30年度税制改正では、「一般物品」(家電・洋服・宝飾品・民芸品等)と「消耗品」(果物・食品・化粧品・飲料・医薬品等)で「別々に1日に合計5,000円以上販売した場合」に、免税販売対象となっていましたが、今年の7月1日からは諸条件はありますが「合算して5,000円以上でOK」となりました。

諸条件の内容は一般物品には従来適用が無かった「50万円まで」「開封が分かるような特殊包装が必要」が付随します。

 

平成32年にはもっと便利に

平成30年度改正ではさらに平成32年4月1日以降に、今までの免税店での買い物の流れである「外国人旅行者の購入者誓約書提出」や「店側からのパスポートへの購入記録票の貼付」が無くなり、外国人旅行者はパスポートを提示するだけ、店側が国税システムに購入記録を送り、税関が出国時に照らし合わせる、という作業でも手続きが可能となります。

国土交通省観光庁は「消費税免税店サイト」を設けていて、免税店になるための手続きの解説や、相談窓口の案内、外国人向けの説明シートの配布を行っています。全国どこにでも外国人観光客が来る時代です。小売業の方は、一度免税店申請を検討してみてはいかがでしょうか。

新・中間省略登記と登記税・取得税・消費税

地面師暗躍「海喜館」事件

昨秋、大手住宅メーカーが土地購入を巡って「地面師」の被害に遭い、土地2000㎡、売買価格70億円の9割の63億円をだましとられた、と報道されました。同社は、土地所有権移転登記が出来なかったことにより、詐欺にあったことに気付いたようです。

同社のニュースリリースに、「当社の契約相手先が所有者から購入後直ちに当社へ転売する形式で」と記されているので、「第三者のためにする契約」(新中間省略登記)だった事が推測されています。

 

中間省略登記は禁止されていた

中間省略登記とは、不動産について、甲から乙への売買、乙から丙への売買があった場合に、所有権は甲→乙→丙と順次移転しているにもかかわらず、中間者乙への移転登記を省略して、甲から丙へ直接所有権が移転したこととする登記のことをいいます。中間省略登記には、登録免許税や不動産取得税が1回で済むというメリットがあります。ところが、平成17年3月に不動産登記法が改正され、登記申請の際、「権利変動の原因を証する情報(登記原因証明情報)」の添付が必須とされ、中間省略登記は封じられました。

 

中間省略登記復活の2類型

しかしその後「規制改革推進会議」が、法務省から「第三者のためにする売買契約の売主から第三者への直接の所有権の移転登記」または「買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転登記」という形での甲から丙への直接の移転登記申請が可能である旨を確認したので、その内容を周知すべきであるとの提言をしました。この提言内容は、平成19年1月12日法務省民事局から全国の法務局へ伝えられています。

 

登録免許税と不動産取得税と消費税

この第三者のためにする売買契約や買主の地位の譲渡による直接の移転登記は、甲から丙への直接の移転登記を認めるものです。登録免許税・不動産取得税も従前の中間省略登記と同様に1回分で足りることになります。それで、「新・中間省略登記」と呼ばれています。

なお、介在者が課税事業者であれば、課税物件の総額につき全当事者に消費税が課されることに変わりはありません。

遡及日付官報による公布施行の問題点

今年の改正税法の公布・施行の日

今年の改正税法は、3月28日に国会通過し、余裕があったはずなのですが、その後の、御名御璽を得るための天皇への奏上、法律番号を付しての主任大臣と内閣総理大臣の連署、閣議決定、官報の印刷、の何が滞ったのか不明ですが、3月中に発行された官報での公布はありませんでした。

 

Profession Journalで案内

3月30日、税専門の出版社、清文社の関連会社が運営するホームページProfession Journalに、3月31日(土)の官報にて公布予定であるが、官報の販売は4月2日(月)とのこと、との記事がありました。

インターネット官報も、公開されたのは、4月2日の午前零時を過ぎてからでした。日付は3月31日で、特別号外(第7号)となっていました。遡及日付でした。

 

公布の日はいつと解されるか

昭和29年と古い話ですが、覚醒剤取締法の改正法が公布即日施行された日の午前9時ごろ、改正法により重罪となる行為をした人がおり、改正前後のいずれの法が適用となるか争われた刑事訴訟での上告審の最高裁判所は、国民が官報を最初に閲覧・購入できる状態になった時に公布があったといえるとする判断を示して、それを東京の官報販売所において閲覧・購入ができた時刻である犯行日の午前8時30分とし、改正後の重罪適用を可としました。

 

公布日・施行日の税法の定め

国税通則法の期間の定めの原則は初日不算入で、期間開始が午前零時からの時は初日算入となっていますので、改正税法の施行日の前日までに公布しておくというのが、従来だったと思われます。

4月2日午前9時が公布日時とすると、4月1日と2日が改正税法未公布未施行期間となると解することになりそうです。

 

不利益不遡及の税法原則への抵触

税法の遡及適用は可なれど、それは納税者有利規定に限られ、不利益規定に関しては遡及不適用です。この3月31日で日切れになった法律規定に交際費があります。

この規定は、法律の定める期間内に開始した事業年度の交際費の額に対する課税の規定です。しかし、改正新法が4月3日から適用なのだとすると、4月1日開始事業年度の交際費に対して課税できるのか、疑問が生まれてきます。

消費税課税事業者・免税事業者どっちが得

課税事業者とは

免除された事業者以外のすべての事業者(個人・法人を問いません)が消費税の課税事業者です。法律の作り方は、漏れがあってはなりませんから、まずすべての事業者を対象に課税すると規定しています。そして次の事業者は納税を免除すると規定しています。

 

免税事業者(いわゆる非課税事業者)とは

基準期間の課税売上高が1千万円以下の事業者としています。

基準期間とは個人で言えば2年前、法人で言えば2期前の1年間です。

課税売上高とは法律で非課税とされる売上以外の資産の譲渡や役務の提供全てです。

実際は、更に特定期間等細かい規定がありますのでご留意ください。

 

消費税とは

売上に乗せて預かった消費税からすでに支払った消費税を引いて、残りを国に納める税金です。ですから逆に支払った消費税の方が多い場合は還付されます。

免税事業者は、消費税の納税義務がないから、売上に乗せて預かった消費税はそのまま免税事業者の収入となります。そのかわり払った消費税もそのまま免税事業者の負担となります。

 

消費税は最終的に誰が負担するのか

消費税の最終負担者は、名前の通り消費者です。課税事業者は預かった消費税から払った消費税を差し引いて残りを納税しますから自己負担は一切ありません。免税事業者は支払った消費税は自己負担ですから、立場は消費者と同じです。すなわち消費税の負担者ということになります。

 

免税事業者のデメリット

問題となる場合は非課税売上が大きな業種です。住宅の賃貸業者(大家さん)や、医者です。賃貸業者の場合建築コストに係る消費税は自己負担となります。医者も保険診療は非課税ですので、高額の医療機器の購入代金や医院の建築に係る消費税は自己負担となります。そこで免税事業者でも選択すれば課税事業者となることができる制度があります。しかし控除できる支払った消費税は、課税売上に対応する分となり少額です。消費税が10%に上がるに際し食料品を非課税とする案がありましたが、非課税とされることが事業者にとって良いのか悪いのか微妙です。

消費税の特定仕入は仕入税額控除の際に注意が必要です

国外からの役務提供も消費税が付いている

(平成27年10月以降の電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し)

以前は海外の業者から電子書籍等をダウンロードする際、消費税は付加されていなかったのに、平成27(2015)年10月から消費税が課されています。この種のサービスで最近利用が増えているのが、オンラインストレージサービスの利用です。クラウドサービスで複数のコンピュータ間でデータ共有等に使っている会社は増えています。

また、潜在顧客がクリックすると課金されるWeb広告(Google AdWordsなど)も、こうしたサービスの一種です。

 

請求書や明細書に取扱いの説明があるはず

国外事業者は、この取引に関する取扱いの明記が求められており、請求書等に、

(1)事業者向け電気通信利用役務の提供-リバースチャージ方式(広告の配信等)

「2015年消費税法改正により、本取引はリバースチャージ方式の対象となり、サービス提供を受けた国内事業者は消費税の申告納税の義務を課されます。」

(2)消費者向け電気通信利用役務の提供-登録国外事業者(電子書籍・音楽配信等)

「当社〇〇社は登録国外事業者であり、消費税の申告及び納税の義務を有します。」

のいずれかの内容の記載があるはずです。

 

リバースチャージの申告納税と経過措置

リバースチャージ方式となる取引は「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されており、当該事業者が申告・納税を行います。特定課税仕入れは、他の課税仕入れと同様に、仕入税額控除の対象となります。

ただし、役務提供を受けた事業者が、①一般課税で、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期間、②簡易課税制度が適用される課税期間については、当分の間、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(特定課税仕入れ)はなかったものとされ、「特定課税仕入れ」として申告する必要はなく、仕入税額控除の対象にもならないとされています。

一方、登録国外事業者からの仕入れの場合には、仕入税額控除の対象となります。

そのため、(1)の方式の場合申告納付は不要です。また、請求書に消費税額が記されていないはずですが、100/108の計算による仕入税額控除はできません。(2)の請求書に記載されている消費税は、従前通り、仕入税額控除の対象となります。

平成30年度税制改正 検討事項について

大綱の最後の章第三に検討事項があります。この章には、(1)来年の31年度税制改正で実施を予定している項目、そして(2)近いうちに実施が予定される項目などがあります。今後の税制を予測する上で重要かと思いますので、主な項目についてその内容を確認してみます。

 

・来年度に実施が予定される項目

(1)医療に係る消費税について

高額な設備投資にかかる負担が大きい、いわゆる損税について、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分に配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ、平成31年度税制改正に際し、税制上の抜本的な解決に向けて総合的に検討し、結論を得る、としています。

(2)婚外の子を持つひとり親対策

子どもの貧困に対応するため、婚姻によらないで生まれた子を持つひとり親に対する税制上の対応について、児童扶養手当の支給に当たって事実婚状態でないことを確認する制度等も参考にしつつ、平成31年度税制改正において検討し、結論を得る、としています。

 

・近く実施が検討されている項目

(1)小規模企業等に係る税制

個人事業主、同族会社、給与所得者の課税のバランスや勤労性所得に対する課税のあり方等にも配慮しつつ、個人と法人成り企業に対する課税のバランスを図るための外国の制度も参考に、引き続き、給与所得控除などの「所得の種類に応じた控除」と「人的控除」の在り方を全体として見直すことを含め、所得税・法人税を通じて総合的に検討する、としています。

過って導入され、その後廃止された、特殊支配同族会社の業務主宰役員給与の損金不算入制度がかたちを変えて創設されるのでは、と気になるところです。

(2)個人事業者の事業承継に係る税制

現行制度上、事業用の宅地について特例措置があるとし、既に相続税負担の大幅な軽減が図られていること、事業用資産以外の資産を持つ者との公平性の観点に留意する必要があること等、事業継続に不可欠な事業用資産の範囲を明確にするとともに、その承継の円滑化を支援し代替わりを促進するための枠組みが必要であることを含めて総合的に検討する、としています。

平成30年度税制改正 消費課税・納税環境整備編

消費税と納税環境整備に関する主な改正項目を概観してみます。

 

・消費税について

消費税に関しては、個別企業の課税実務に大きな影響を及ぼす改正はありませんでした。改正は補完的なものです。

①消費税における長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等について延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算する選択制度は廃止されます。但し、経過措置が講じられています。

②簡易課税制度について、軽減税率が適用される食用の農林水産物を生産する事業者を第2種事業とし、そのみなし仕入率を80%(現行:70%)とする。

適用は、平成31年10月1日を含む課税期間からです。

③輸入に係る消費税の脱税犯に係る罰金刑の上限について、脱税額の10倍が1,000万円を超える場合には、脱税額の10倍(現行:脱税額)に引き上げる。

適用は、法律の公布日から起算して10日を経過した日以後の違反行為からです。

④外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充です。具体的には、「一般物品」と「消耗品」の合計で下限額の要件(5,000円以上)等を満たす場合には、外国人旅行者向けの消費税の免税販売を認める。

適用は、平成30年7月1日以後に行われる課税資産の譲渡等からです。

 

・納税環境整備について

改正の中心は、申告手続の電子化促進のための環境整備です。

大法人の法人税、地方法人税、消費税、法人住民税及び法人事業税の電子申告の義務化です。申告書は、確定申告書、中間申告書、修正申告書が対象で、消費税においては還付申告書も含みます。

上記の大法人とは内国法人のうち事業年度開始日の時において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人並びに相互会社、投資法人及び特定目的会社をいいます。

なお、消費税については、国及び地方公共団体も含みます。

適用は、平成32年4月1日以後に開始する事業年度からで、消費税に関しては、同日以後に開始する課税期間からです。

なお、上記申告手続の電子化に伴って、法人税等の申告書における代表者及び経理責任者等の自署押印制度を廃止するなど幾つかの環境整備がなされています。

消費税 新規設立は少し慎重に

法人の新規設立にあたっては、特別な事情がない限り、なるべく長く期間をとる方向で事業年度、いわゆる決算期を決めます。その方が、設立から早めに決算期が到来する煩わしさから解放され、落ち着いて経営に専念できるといったメリットがあります。

 

・思わぬ落とし穴

消費税では、新規設立の場合(資本金又は出資金1,000万円以上の法人は除く)には、基準期間がないので設立時の事業年度と翌事業年度は、原則、免税事業者となります。

なお、基準期間とは、その事業年度の前々事業年度で、免税事業者とは、消費税の納税義務のない事業者を言います。

しかしながら、消費税の課税事業者を判定するのは基準期間だけでなく、特定期間の課税売上高等で判定する場合もあります。

特定期間とは、原則、その事業年度の前年事業年度(設立一期)で、前事業年度開始から6か月の期間を言い、そして、その期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ、給与等の支払いが1,000万円を超えていれば、その事業年度は課税事業者となり、消費税の納税義務を負うことになります。

設立一期目から好業績が予想される法人の場合、この特定期間があることで、本来、翌期は免税事業者であると予期されていたにもかかわらず、課税事業者となってしまう可能性があります。

 

・特定期間の回避策

そこで、それを回避するにはどうしたらよいか、ですが、特定期間の要件を外すこと、すなわち、設立一期の事業年度を「短期事業年度」になるように設定することです。

短期事業年度とは、(1)設立一期の事業年度が7か月以下の場合、又は(2)設立一期の事業年度が7か月を超え8か月未満の場合であって、設立一期開始の日以後6か月の期間の末日の翌日からその事業年度終了の日までの期間が2か月未満の場合で、これらの期間は、特定期間から除外されています。

なお、設立一期の後半で、特定期間の存在に気づいたときは、上記(2)の要件を満たすように決算期を変更することで翌期に課税事業者となることを回避できる場合もあります。

決算期の変更に留意 法人税のほか消費税にも配慮

不動産の譲渡により多額の売却益が見込まれるとき、法人税の節税策の一環として、決算期を変更し、不動産の売却から決算期末までの期間を長くすることにより時間を確保し、その期間に合理的な施策を講じることもままあります。

 

・決算期変更による基準期間のズレ

決算期が変更されたことにより、消費税の納税義務の判定となる基準期間にズレが生じ、決算期変更前の基準期間であれば免税事業者(消費税の納税義務なし)であったものが、決算期変更後の基準期間では課税事業者になってしまうこともあります。

なお、基準期間とは、その事業年度の前々事業年度をいい、当該事業年度の課税売上高が1,000万円以下であれば、その事業年度は免税事業者になります。

例えば、12月決算法人で、平成28年12月期の課税売上高1,000万円以下、平成29年12月期の課税売上高1,000万円超であった場合で、当期が平成30年12月期であれば、当期は免税事業者となります。

現状の12月期決算であれば、平成30年3月末引渡し予定の不動産があり、その売却価額3億円、内建物の売却価額が1億円だったとして、建物価額にある消費税については消費税を納める義務はありません。

ところが、法人税の節税を意図して決算期を平成30年2月末に変更したとします。そして、予定通り平成30年3月末に不動産が引渡されれば、翌平成31年2月まで12か月間の時間が確保でき十分な節税策を講じることが可能となります。しかし、不動産の引渡しは、平成30年3月1日~平成31年2月末の課税期間となり、当該事業年度の基準期間は平成29年12月期となることから、課税事業者に該当し消費税を納めることになってしまいます。

 

・特定期間に該当する場合も

課税事業者又は免税事業者の判定は、原則、前々事業年度の課税売上高で判定するのですが、前期の課税期間前半6か月間、いわゆる、特定期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ、当該期間の給与等支払額が1,000万円を超えていれば、その翌事業年度平成32年2月期も課税事業者になってしまいます。

事業者に免税、課税となる期間がある場合には、決算期の変更により思わぬ事態を招来させることもありますので、法人税のみならず消費税にも配慮したいものです。

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