12月, 2014

消費税の「軽減税率」導入問題 「黒ネコ」と「たいやき」の昔話

平成27年10月の消費税増税は延期
平成26年11月18日、安倍首相は、GDPが2四半期連続でマイナス成長になったこと等を踏まえ、平成27年10月に予定していた消費税10%の増税を平成29年4月まで延期する方針を発表しました。
また、平成29年4月増税時のタイミングでは、景気条項を付することなく、延期する考えがないことも示しています。自公両党はこの再増税時に「軽減税率」の導入を目指しているようです。

与党税協が示した軽減対象範囲の8類型
これは消費税の標準税率より低い税率を「生活必需品」に適用するという議論です。
6月に与党税制協議会は「飲食料品」の「軽減税率」の対象範囲の8パターンを示しています。

①全飲食料品、②全飲食料品-酒、③全飲食料品-酒-外食、④全飲食料品-酒-外食-菓子類、⑤全飲食料品-酒-外食-菓子類-飲料、⑥全飲食料品-酒-外食-菓子類-飲料-その他の加工食品(=生鮮食品)、⑦米、みそ、しょうゆ、⑧精米

この「軽減税率」の議論は、低所得者ほど税負担が重くなるという「逆進性」を緩和することが目的で、欧州の付加価値税(日本の消費税に相当)では、食料品や書籍に導入されています。
一方で「軽減税率」導入には、否定的な議論もあります。①対象品目の「線引き」が困難であること、②食料品の軽減税率は高所得者にも恩恵が及ぶこと、③事務処理コストに零細事業者が耐えられないことなどが挙げられます。

「線引き」問題は昔からあった?!
欧州の軽減税率導入時点では世の中の取引が今ほど複雑ではありませんでしたが、現代はサービスとモノが複合的に組み合わさっているだけに、今の欧州の付加価値税でも「線引き」問題は大きな課題を抱えています。確かにテイクアウト、出前、ケータリング、イートインや居酒屋の酒とソフトドリンクが混ざった「飲み放題メニュー」など「線引き」が難しいものがあります。
「線引き」の話は物品税時代もありました。「黒ネコのタンゴ」は「童謡(非課税)」に当たらないので課税(歌謡曲扱い)となったのに対し「およげ!たいやきくん」は童謡に当たるため非課税と判断されました。間接税課税の難しさはいつの世も同じです。

平成27年1月以後に開始する相続 「小規模宅地等の減額」の改正

H27.1.1以後の「小規模宅地等の減額」
 平成27年1月1日以後に開始する相続に係る相続税について適用される基礎控除額の引下げ・税率構造の見直しによる税負担の増加を緩和するため、次の「小規模宅地等の減額」の改正が行われております。
①特定居住用宅地等の限度面積の拡大
②特定事業用等宅地等と特定居住用宅地等の完全併用

特定居住用宅地等は限度面積330㎡に拡大
 特定居住用宅地等の限度面積が240㎡から330㎡に拡大されました。これは大都市圏における「特定居住用宅地等」を適用している事案の平均値が約360㎡であることなど居住用宅地の実情に合わせた改正です。

「特定事業用等」「特定居住用」の完全併用
 小規模宅地等の減額を受けようとする宅地等が複数ある場合には、「特定事業用等宅地等」(特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等)、「特定居住用宅地等」と「貸付事業用宅地等」の限度面積を全体で調整する規定が設けられています。
今回の改正後も次の算式により減額の適用ができる限度面積が調整されます(これを「限定併用」といいます)。

【算式】
特定事業用等宅地等の面積×200/400
+特定居住用宅地等の面積×200/300
+貸付事業用宅地等の面積 ≦200㎡

今回の改正では、この算式によらず、「特定事業用等宅地等」と「特定居住用宅地等」のみである場合には「完全併用」できるという制度が設けられました。つまり、「特定事業用等」400㎡と「特定居住用」330㎡を合わせて730㎡まで制限なく適用できることになります。

小規模宅地等の「選択」が変わってくる
「限定併用」の考え方では、減額金額が最大となる選択をする場合には、次の算式による「1㎡当たりの減額金額」を比較して大きなものから選ぶことになります。
・「特定事業用等」1㎡単価×80%×400/200
・「特定居住用」 1㎡単価×80%×330/200
・「貸付事業用」 1㎡単価×50%
 ただ「完全併用」が導入されたことにより、1㎡の減額が大きな「貸付事業用宅地等」をあえて選択せず、「完全併用」を用いた方が有利なケースも出てきました。今後は「限定併用」「完全併用」の両者を計算して比較し検討する場面も出てきそうです。

日常会話と異なる「法令用語」 「その他の」と「その他」の違い

「法令用語」は日常会話と異なる
 税理士という職業柄、税法など法律の条文にはよく目を通します。
そこで目にする法律の中には、日常生活では特に意味の違いがないような言葉でも、立法技術上、特有の意味で使われている言葉があります。このような「法令用語」の特有の意味を厳密に理解できなければ、法令解釈は難しくなります。

「その他の」と「その他」は意味が違う?!
 その一例を紹介すると法令用語としての「その他の」と「その他」では意味が異なります。
 どちらも、その直前にある語の例示として、より広い意味の語を引き出す言葉ではありますが、法令用語の「その他の」は「包括的例示」、「その他」は「並列的例示」と呼ばれ、使い分けがされています。
「その他の」の場合は、直前に置かれた名詞が後に続く内容の広い言葉の一部をなすものとして、その中に含まれる場合に用いられます。「例示の『の』」と呼ばれることもあります。例えば「佐藤さんその他の社員」という場合には、「佐藤さん」は「その他の社員」に含まれます(包括的例示)。
一方、「その他」の場合は、その語の前後の語句は独立していて,後に続く語とは別個の概念として並列的に並べる場合に用いられます。「佐藤さんその他社員」という場合には、「佐藤さん」と「その他社員」は別個の概念なのです(並列的例示)。
前者の場合、「佐藤さん」は一応「社員」の一員であることは間違いありませんが、後者の場合、ひょっとしたら「佐藤さん」は「社員」ですらないかもしれませんね。

「その他の」「その他」ばかりの条文は…
 税法の中でも「その他の」「その他」がよく使われる条文は厄介です。たとえば租税特別措置法では「交際費」とは
①交際費、接待費、機密費その他の費用で
②法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する
③接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの
と規定されています。交際費等を包括する「その他の費用」は何なのか、得意先等と並列例示される「その他事業の関係がある者」、接待等と並列例示される「その他これらに類する行為」は何なのか―と考えながら、条文を読んでいるわけです。

「企業ゆるキャラ」が531体! 会社がゆるキャラ(R)を作ったら?

2014年も「ゆるキャラ(R)」は増え続けた
 今年も数々の「ゆるキャラ(R)」が登場した年でした。「ゆるキャラ(R)グランプリ」2014年大会のエントリー数は1,699体。その内訳は「ご当地ゆるキャラ」1,168体、「企業ゆるキャラ」531体であったそうです。
 今年6月には大阪府のモズをイメージした「ゆるキャラ(R)」の「モッピー」について、USJに先に商標登録されていたことが判明し、9月に「もずやん」に改めました。官公庁のキャラクターが企業のキャラクターとかぶるとは…もはや乱立の状況です。

税理士会にも「イメージキャラクター」
 また、「イメージキャラクター」というものも増加傾向です。
実は税理士会にも「イメージキャラ」がいます。神奈川と山梨の両県の税理士が所属する東京地方税理士会の「トッチーくん」です。ただ、自衛隊東京地方協力本部には「トウチくん」がいます。東京土地家屋調査士会には「エコゾウとトッチ」がいます。いずれもお堅いイメージの団体だけに「東」と「地」にかけているのでしょうが…似たような名前のキャラばかりで、こちらも混沌とした状況です。

「イメージキャラクター」作成料の税務
 もし、会社がロゴマークやイメージキャラクターを特定の商品やブラントとして用いる場合には、その作成費用や弁理士報酬は次のように取り扱われます。
⑴ 商標登録した場合
 ロゴマーク、イメージキャラクターの作成費用は無形固定資産(商標権)として計上し、10年間で償却することになります。ただし、弁理士への出願手数料や印紙代等は一時の費用として損金処理することが認められています。
⑵ 商標登録しない場合
 商標登録をしない場合には、商標権という具体的な無形固定資産を取得するわけではありません。ただし、その支出の効果が将来にわたり持続することが明らかですので、繰延資産(開発費)に該当することとなります。この繰延資産(開発費)は任意償却を行うことができるため、その金額を一時に償却して損金処理することが認められています。
 ちなみに「ゆるキャラ(R)」という言葉自体も漫画家のみうらじゅんさんと扶桑社により商標登録されています。

たまたまの土地の譲渡 準ずる割合の承認日

仕入税額控除の原則
消費税の仕入税額控除には、個別対応方式と一括比例配分方式の2つの方法が認められています。
なお、一括比例配分方式を採用した場合は、2年間その適用を継続しなればなりません。

課税売上割合の原則的な取扱い
 個別対応方式においても一括比例配分方式においても、原則、課税売上割合を計算しないと仕入税額控除を求めることができません。課税売上割合は、原則、次の計算式で求めることになっています。
課税売上割合=(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)/(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額+非課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)
 しかし、特例として、承認を受けることで上記課税売上割合に代えて事業者の事業の実情に応じて算定した合理的な割合、いわゆる課税売上割合に準ずる割合を求めて控除税額を計算することもできます。

たまたま土地の譲渡があった課税期間
 たまたま土地の譲渡があった場合、一般的には、非課税売上の譲渡等の対価の額が大きくなることから、課税売上割合は大きく低下し、仕入税額控除額は小さくなり、結果、事業者にとっては予期しがたい税負担を招来させます。
 そこで、課税実務では、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内であれば、次により求めた割合のうち低い割合を課税売上割合に準ずる割合とすることが認められています。
・土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合
・土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

準ずる割合の適用承認はいつまで
 消費税の実務において、届出書の提出期限又は承認はいつまでか、その手続きが重要です。多くの場合、承認・届出の手続きは、適用を受けようとする課税期間の末日まで、又は課税期間の開始の前日までです。
 しかし、この準ずる割合の承認申請ですが、適用しようとする課税期間末日までに承認を受けていなければ適用できないことになっています。課税期間末日近くでの申請では承認が間に合いません。これは酷な規定です。

相続以外の承継 事業承継した資産の償却方法

相続により減価償却資産を取得した場合の取扱いについては、被相続人の取得価額、帳簿価額及び当該資産の耐用年数は引き継ぎ、被相続人が選択した償却方法は引き継がない、と定められています。
このため、相続人が定率法を選択する場合には、新たに償却方法の届出が必要となります。

廃業した場合の償却資産の取扱い
 例えば、父が事業を廃業し、その生計を
一にする長男が父の事業を承継、父が事業の用に供していた店舗(当該店舗は父が旧定率法で償却していた)を無償で父から借り受けて事業の用に供した場合、長男の所得計算における上記店舗の減価償却費の計算はどの償却方法によるべきか、疑問が生じるところです。

課税当局の回答
 課税当局の回答は、「旧定率法」により計算する、です。
その根拠は所得税法56条です。この規定からは、次のような解釈になります。
親族(父)がその有する資産(店舗)を無償で当該事業(承継した長男)の用に供している場合、居住者(長男)の事業所得の額の計算上、必要経費に算入する減価償却費は、居住者(長男)と生計を一にする親族(父)が所得金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費である、ということです。
また、居住者の有する減価償却資産が年の中途において不動産所得、事業所得等を生ずべき業務の用に供された場合には、そのよるべき償却方法として旧定額法、旧定率法を選択している減価償却資産は、旧定額法、旧定率法等により償却費の額を計算することになっています。

回答に対する補足説明
 相続により減価償却資産を取得した場合の取扱いとは異なり、父の廃業後、その事業を承継した長男が父の所有する店舗を無償で事業に供しています。
この場合、長男の当該事業に係る所得金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費は、父が店舗使用の対価を受け取ったならば不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費になります。
したがって、この減価償却費の額は、父が選択していた方法、旧定率法により計算した減価償却費の額となります。結論は、償却方法は旧定率法、ということです。

国外居住の扶養親族 扶養控除適用の厳格化

扶養控除の適用要件
 扶養控除の適用要件は、①配偶者を除く年齢16歳以上の親族(法令の規定に基づく児童等も含む)、②親族の年間の合計所得金額38万円以下、そして、③納税者と同じ家計で生活する、の3つです。
この3つの要件ですが、納税者の自己申告であり、適用にあたっては、特にその事実を証明すべき書類、例えば、親族であることを証明する戸籍謄本等、所得を証明する源泉徴収票等、そして、同居以外の場合、同一家計での生活を証明するための、送金の事実を証明する書類等の提出は不要となっています。

国外居住者の扶養親族
 扶養控除の適用可否について、対象となる親族が国内に居住していれば、上記の3要件を確認することはそう難しくありませんが、対象親族が国外に居住しているとなると、その確認は容易ではありません。
 要件の1つである、合計所得金額38万円以下の判定に関しては、その親族が我が国で得た所得、すなわち国内源泉所得だけで判定しますので、その把握はそう困難ではありません。
しかし、親族の証明、親族への生活費の送金事実の証明となるとなかなか厄介です。
 国際結婚で国外に親族がいるようになった場合、我が国のように戸籍制度が確立していれば、親族であることを証明すべき公文書のような書類の提出を求めることもできますが、制度が整備されていないとすると、その信用性が担保できません。
 また、同じ家計で生活していることの証明ですが、生活費の海外送金などの明細書等があれば問題ないのですが、現地で直接現金で渡した場合などは、その事実を客観的に証明することは困難です。

平成27年度の税制改正の行方
 外国人と結婚した日本人や海外に親族を残して日本で働く外国人の扶養控除の実態を会計検査院が調査したところ、不確かな状況で扶養控除を受けている事実が散見され、中には扶養控除額だけで300万円超受けていた人は140人もいたことが明らかになり、新聞報道でも話題になりました。
そこで、財務省は、平成27年度の税制改正で、その適用を厳格化すべき方針を固めたようです。その内容ですが、親族が確認できる書類や送金明細書の添付の義務化等が挙げられています。

「報酬」か「給与」か 時間給ホステスの源泉徴収

時給制ホステスさんの源泉徴収
 ホステス等に報酬・料金を支払うときは、所得税等を源泉徴収しなければなりません。
 この源泉徴収は、ホステスさんがお客様に営業して、お店に来店してもらい、そのお店を使ってもらったことに対する「報酬」―すなわち、ホステスさんが独立した個人事業者として、自己の計算とリスクをもって行う業務の対価を対象としています。お客様の指名件数と支払金額に応じて支払われるケースがその典型例です。
 悩ましいのが「時間給」のホステスさんへの支払いです。平成24年の国税不服審判所の裁決では、「時間給」での支払いが「給与」と判断された事例があります。

雇用契約と同様の指揮監督下にある場合
 この裁決では、①ホステスの採用に際し、店側が給与体系・勤務時間・店舗規則などの条件が記載された「給料システム」という書面に基づき説明していること、②採用後はホステスの出勤日・入退店時刻を指示して出勤シフトを組み、店側が出退勤を管理していたこと、③ホステスに対する支払いは主として勤務時間や遅刻の有無を勘案して算出されていたこと等から、ホステスは、雇用契約と同様に店の指揮命令に服していた実態があるとして、労務の対価(給与所得)であると認定しました。

会社員をしながら週一出勤のホステスさん
 ここで問題となるのが、会社員をしながら週一勤務をしているホステスさんへの支払いです。先程の「報酬」としてのホステス報酬の源泉徴収の算式は次のとおりです。

(支払金額-5,000円×計算期間の日数)×10.21%

 この算式における「計算期間の日数」は、「営業日数」や「出勤日数」ではなく、ホステス報酬の支払金額の計算の基礎となった期間の日数とされていますので、週払いでは35,000円、月払いでは155,000円(31日)を超えなければ税額は算出されません。したがって、週一程度の勤務ならば源泉徴収を行う必要がないことが考えられるわけです。
 これが「給与」となると話が異なります。ホステスさんが会社に勤務されているのであれば、主たる職場ではない店からの支払いは、高率の「乙欄」での源泉徴収が求められます。どちらとも言えない事例も考えられるだけに判断が難しいところですね。

マイナンバーがはじまる マイナンバー普及の飴と鞭

マイナンバーと支払調書
マイナンバーの制度は、民から官に向かって提出される支払調書や申告書・申請書などに個人番号を記すことを予定するものです。その中で想定される最多のものは預金口座に係る支払調書です。
日本銀行の統計による2012年度末の個人預金口座数は、郵貯・信組・農協を除き、国内銀行7.8億、信用金庫1.3億です。証券会社の個人顧客口座数は、証券業協会統計によると、2000万です。

利子に係る支払調書の現行法規
利子についての支払調書は、所得税法では例外なく提出するものとされていますが、租税特別措置法で、利子の受領者が個人である場合には支払調書提出の規定の不適用を定めています。これは、利子所得の課税が源泉徴収のみで完結する源泉分離課税となっていることによるものです。
法人については、不適用対象外ですので、金融機関からの支払調書の提出はなされています。なお、施行規則では、非課税利子所得に係るもの、一人当たり年3万円以下、一口座当たり年5000円以下、1年超では1万円以下、のものを少額不追求の趣旨で提出不要としています。

マイナンバーと預金口座
かつて、預金口座に個人番号を付す法律が成立したことがありますが、施行前に廃止されました。グリーンカード制度のことです。
今次のマイナンバー制度も原則としてはグリーンカード制度と同じ趣旨を有してはいますが、実際には、その口座数の多さからして、全ての預金口座にマイナンバーを付すのは無理なことです。

インセンティブとマイナンバー
今後は、新規の預金口座開設や、新規の公社債等の取引では、マイナンバーの提供が条件となることはありえます。
特に、株式等の譲渡損失と配当との損益通算の現行制度の延長として、平成28年から、特定公社債等の譲渡損益と利子がこれに含められることになっているところ、マイナンバーの導入により、損益通算の対象がもっと幅広くなるとともに、他方で、マイナンバーの付されたものに限定する、ということに法改正されていくのではないか、と思われます。

平成26年分年末調整の留意事項 2年前納した国民年金保険料

H26.4から新設!国民年金の2年前納制度
 平成26年分の年末調整に際して、留意して頂きたい事項の一つに「2年前納」した国民年金保険料の取扱いがあります。
 国民年金保険料の前納制度は、保険料をまとめて前払いすると割引となるもので、今まで1年・6ヶ月分・1ヶ月の前納制度がありました。前納期間が長いほど割引率が大きくなりますが、平成26年4月より「2年前納」の制度が新たに設けられました。この「2年前納」制度を使用した場合、約1ヶ月分の保険料に相当する割引があります。

【H26年度の保険料(口座振替)】
6ヶ月分前納  90,460円(割引1,040円)
1年前納   179,160円(割引3,840円)
2年前納   355,280円(割引14,800円)

ちなみにH23年度の前納件数は被保険者の18.3%で、そのうち1年前納の方が10.8%を占めていました。それらの方々の中から、新設された2年前納で納められた方もいらっしゃったでしょう。
ただ、この前納制度は、①2年度目の保険料が引き下げられた場合でも前納保険料からその差額が返還されないこと、②免除制度を利用した方が有利なケースが考えられることなど、注意すべき点もあります。

「2年前納」した場合の社会保険料控除
 この「2年前納」により国民年金保険料を納めた場合の社会保険料控除の取扱いが国税庁ホームページに掲載されています。
 結論としては、納税者は①納めた年に全額控除する方法と②各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法を選択することができます。

【平成26年に2年前納した場合】
(1)H26年の控除対象額(H26.4~H26.12)
355,280円×9/24=133,230円
(2)H27年の控除対象額(H27.1~H27.12)
 355,280円×12/24=177,640円
(3)H28年の控除対象額(H28.1~H28.3)
 355,280円×3/24=44,410円

 年末調整では、どちらの方法でも年金機構が発行した「控除証明書」を保険料控除申告書に添付して、給与支払者に提出又は提示することとなっていますが、②の方法を選択した場合には、「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」に各年分の保険料相当額を記載して、給与支払者に提出することとなっています。これらの証明書類から保険料額が保険控除申告書に正しく転記されているか確認して下さい。

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