3月, 2015

安全な職場を作るには

第3次産業の職場の労災防止対策

労働災害のうち、4日以上仕事を休まなければならない労働災害は年間12万件近くもあり、このうち4割以上の災害は、小売業、社会福祉施設、飲食店等の「第3次産業」で発生しています。職場で次の様な事は無いでしょうか。原因を見てみます。

転倒・・急いでいる時等に放置された荷物や台車につまずく、濡れた床で滑る等。

急な動き・・重い物を無理な姿勢で持ち上げたり、移動させたりするときにぎっくり腰になったり筋を痛める。

墜落・転落・・脚立やはしごなどの上でバランスを崩して落ちる。階段で足を滑らす。

その他・・交通事故、通路でぶつかる、ドアに手を挟まれる、刃物で手を切る、やけど等。

 

労働災害の発生と原因

第3次産業では年間約5万人以上の人が労働災害で4日以上仕事を休んでいます。

また、転倒、急な動き、無理な動き、墜落、転落、交通事故(道路)が事故としては多く、これらの原因で7割を占めています。労働災害の原因を放置したままでは安全・安心に作業する事ができず、作業効率も下がります。さらにケガで休業すると他の人への負担もかかります。災害を防ぐには職場の危険な個所や動作を察知して知らせ、脚立、台車などの正しい使い方を学び全員が安全行動を身に付ける事が大事です。

 

労働災害を防ぐには

4S活動・・4Sは整理、整頓、清掃、清潔の事で、日常的に行う事で災害防止だけでなく、作業のしやすさや効率化も期待できます。

KY活動・・KYとは危険予知の事です。業務を開始する前に「その作業にはどんな危険ポイントがあるか」を話し合い、危ない箇所の対策を決め、行動確認等を行います。

危険の見える化・・職場の危険を可視化し、従業員全員で共有します。KY活動で見つけた危険ポイントにステッカー等を貼ります。

安全教育・研修・・器具の正しい操作等の研修、新入社員には入社時に教育します。

安全意識・・安全活動を進めるには、経営者、責任者が朝礼や社内報、社内メール等で全員に啓発する事も大事でしょう。

相対評価基準の統一

「相対評価基準」とは目標管理における業績評価の場合を例にとると、1次評価が、通常「上司と担当者が、目標設定の際に合意して決めた具体的な目標達成基準」に基づいて評価するのに対して、2次評価~最終評価までは、「目標達成度を自部署の社員間、他部署の所属社員と相対的に比較・評価することが必要になり、その際用いる比較評価基準」のことを言います。

業績評価のランクをS・A・B・C・Dの5段階とすれば、1次評価の結果をそのまま最終評価とすると、多くの場合上位ランクに偏ることになり、賃金原資(例えば賞与原資)の公正・納得性の高い配分がなされにくい結果となりますから、一般に所定の分布(通常正規分布)に当てはめるために1次評価を見直して2次評価~最終評価を決定する「相対評価」が必要となります。

 

相対評価基準統一の必要性

1次評価が個々の目標達成基準に基づいて行なわれるのに対し、部署長が責任者となって部署内の複数の管理者間で調整、決定する2次評価に用いる「相対評価基準」は、1次評価の基準から1段階上位の基準とする必要があります。

例えば、「部署目標達成に対する数量的・質的貢献度」、「経営理念に基づくプロセス業績」、「波及効果の大きさ」などをクライテリア(複数基準)とし、評価適用上の優先順位を決めておき、相対評価分布に当てはめて評価を決定します。

 

経営者・管理者の留意点

部署内調整では、管理者間でクライテリアの合意形成を行なうこと、会社として各部署のクライテリア設定の方向付け、義務付けを行なうとともに、部署間最終調整でも、同様にクライテリアを設定します。

それらは、2次評価以降、最終評価の公正性を確保することと、評価決定に基づくフィードバックにおいても納得性を高める根拠となり、あらかじめ、それらのクライテリアを社内に公開しておくのが適当です。

ちなみに、「相対評価」は評価にメリハリを付け、賞与の配分など処遇のインセンティブ効果を高める狙いをもっており、日本企業の実例で、賞与の評価に11段階の差を設けているケースもあります。このように、処遇のメリハリをつけ、業績向上努力に対するインセンティブ効果を高めようとすれば、それに相応するクライテリアの精緻化が必要となります。

運転資金の経営分析ツール キャッシュ・コンバージョン・サイクル

キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは

「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」とは、下記の算式で表される仕入から販売、代金回収までのサイクルタイムのことで、「CCC」或いは「現金循環化日数」などとも呼ばれたりします。

【算式】

CCC=棚卸資産回転日数+売上債権回転日数-買掛債務回転日数

この「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」の日数が短くなればなるほど、「運転資金が楽になる」ことを示しています。

 

資産の資金化と債務の支払のタイミング

すなわち、「資産の資金化」のサイクルと「債務の支払」のサイクルを組み合わせて、その会社の必要資金を表しているのです。

例えば、会社が商品を仕入れたのち、商品を販売、売掛金回収という「資金化」のサイクル(在庫→売掛債権→現金)は、「棚卸資産回転日数+売掛債権回転日数」と表現されます。

一方、仕入れた商品の買掛債務の支払いは、上の売掛金回収のタイミングより先行することが通常です。従って、「棚卸資産の回転日数+売上債権回転日数-買掛債務回転日数」に相当する「運転資金」を用意しなければならないということになります。

「日数」という分かりやすい表現にすることで「資金回収の弱点がどこにあるのか」「何をしなければならないのか」という課題が浮き彫りとなることが、この指標のよいところで、日数をグラフにするなど図表で示したりすると、運転資金の流れがより感覚的に理解できます。

 

CCCを短くするにはどうするか?

この「CCC」を短くする施策には次のようなものがあります

①在庫回転日数を短くする(在庫削減)②売掛金回転日数を短くする(売掛金を削減する・取引条件を見直す)③買掛債権回転日数を長くする(取引条件を緩和)

 

自社の「CCC」の前期比較を見てみる!

まず、ご自身の会社の「CCC」の前期比較を作成して頂くと、資金面での状況変化がわかります。また、業界平均との「CCC」の比較、重要取引先毎、重要商品毎の「CCC」を出してみると、運転資金面での「強み」「弱み」が分かるので、是非活用してみたい経営分析ツールの一つであると言えます。

まぎらわしい棚卸資産の区分 「半製品」と「仕掛品」との違い

「半製品」と「仕掛品」の違いはどこか?

製造等の中途にある棚卸資産に「半製品」と「仕掛品」があります。英語で言えば、前者は“semi-processed goods”、後者は“work in process”。これらはどのような違いがあるのでしょうか?

財務諸表等規則ガイドラインによれば、「半製品」とは「中間的製品として既に加工が終り現に貯蔵中のもので販売ができる状態のもの」とされています。これは製造工程の中間までは工程を終えて、次工程に移るまで間、一時的にストックしている状態のイメージのものです。

一方の「仕掛品」とは、同ガイドラインによれば「製品、半製品または部分品の生産のために現に仕掛中のもの」とされています。

 

「販売可能な状態」のものであるかどうか

これらの定義から、二つの棚卸資産の区分は、「販売可能なもの」であるか―交換価値を有しているか―という点にあることになります。すなわち、「半製品」はその状態でも「販売可能なもの」であるが、「仕掛品」はその状態では「販売ができないもの」(工程中のもの)ということです。

別の言い方をすると、「半製品」は倉庫等で現物が確認できる(引渡し等が可能である)が、「仕掛品」はそうではない―ということになります。

英語の“semi-processed goods”“work in process”と表現されるのも何となく判りますね。

 

「半成工事」「未成工事支出金」との関係

また類似のものに「半成工事」というものがあります。これは「仕掛品」と同義のもので、造船業で用いられる勘定科目です。建設業の「未成工事支出金」、不動産開発・宅地造成を行うディベロッパーの「開発事業等支出金」(会社によっては「仕掛販売用不動産」など)も同様です。

これらのものは、その状態では「販売ができないもの」ですから、低価法適用時の「正味売却価額」は、「完成品の売価-見積追加製造原価-見積追加直接経費」と、販売可能な状態の完成品からスタートして考えることになります。

贈与税課税は避けたいところ 親の家屋に子が増築した場合

親の家屋に子が増築した場合

親が所有する家屋を子の資金で増築するということがよくあります。この場合、増築後の登記状況等により贈与税が課税される恐れがあります。例えば、父が所有する木造平屋の家屋(時価1,000万円)に、子が家屋の時価と同額の1,000万円をかけて2階部分を増築したとしましょう。

 

民法における『付合』の考え方

この場合、民法における『付合』の考え方を理解する必要があります。『付合』とは、別個のものがくっついて一つになるイメージになります。不動産の場合、『不動産の所有者は不動産に従として付合した物の所有権を取得する』(民242)とされています。

この例では、父所有の家屋(主)に対して、増築部分が『付合』した物(従)とされれば、増築部分も父が所有権を有することになります。

一般には増築部分が①事実上、分離復旧させることが不可能で、②2階部分だけ独立して取引できるような状態でなければ、『付合』したものと見られます(なお、増築部分が区分所有権の対象となるものについては、『付合』は生じません)。

 

『持分変更』で高率の贈与税課税を避ける

今回の増築部分が区分建物として独立性がない場合、一般的には『付合』が成立し、増築部分の金銭負担者(子)と取得財産の名義(父)が異なることになります。そのため、子から父に対して1,000万円の贈与があったものして、父に高率の贈与税が課されます。もっとも、負担分=持分とする形(本事例では1/2)で登記することで、利益の移行がなかったものとして、贈与税課税を回避することができます。

国税庁HPの質疑応答事例では、①旧家屋の持分2分の1を父から子に時価で譲渡し(本事例では1,000万円×1/2=500万円)、②その譲渡代金は、子が支出した増築費用のうち父の負担すべき部分の金額 (本事例では1,000万円×1/2=500万円)と相殺することで、贈与税の課税関係は生じないとする例を示しています。このように高率の贈与税課税を避けることはできますが、①の持分異動分については、父の譲渡所得を認識しなければなりません(この譲渡は親子間譲渡のため、居住用財産譲渡の特例等は適用できません)。同様のケースならば、登記及び譲渡の税負担を事前にシミュレーションしておくことをお勧め致します。

源泉徴収業務は益々大変

平成27年度の税制改正

あまり注目されませんが、「国外に居住する親族の扶養控除の適正化」があります。

国外扶養親族21人もの扶養控除の適用を受けていた事例があり、本当に扶養しているのか疑義のあるケースが散見されるため、扶養控除の適正化の為に、平成28年分以降の所得税から適用しようと言うものです。

その内容は以下の通りです。

国外に居住する親族に係る扶養控除を受けようとする者は、以下の書類の添付又は提示を義務付けるものです。

  • 親族であることが確認できる書類(例:戸籍の附票の写し、出生証明書等)
  • 納税者が親族の生活費等に充てるための支払いを行ったことを確認できる書類(例:送金依頼書、クレジットカード利用明細書等)

 

誰が責任を取るのか?

一見もっともな改正ですが、上記①②の書類を誰が確認し、保存するのかが問題です。納税者が自ら確定申告をしている場合は、自己責任ですからよいのですが、納税者が給与所得で源泉徴収されている場合、その責任は源泉徴収義務者である企業にあります。

 

外国人労働者への対応

外国人労働者は、日本に出稼ぎに来ているわけですから、その目的からして母国に扶養親族を残しているわけで、多くの外国人労働者に扶養親族がおります。

従来は、扶養控除申請書に自主申告してもらっており、その真偽の確認は行いませんでしたが、今後はその扶養親族の真偽を確かめるために、先の①②の書類の提出を求め、提出がない場合は、扶養控除をせずに源泉徴収することとなります。

①②の書類の提出がないまま扶養親族として源泉徴収していて、その後の税務調査で書類の不備が見つかった場合、源泉徴収義務は企業にありますから、追徴税額は企業が納付することになります。

税務調査時に既に当人が帰国してしまっていれば、負担した税金を徴収することはまず無理です。

棚卸資産の評価方法 低価法の適用漏れがあったら?

「低価法」の網羅性の要求度はどこまで?

棚卸資産の低価法を適用した会社―特にその種類が多い会社―は「低価法の適用漏れがあったらどうなるのか?」と心配になることがあるかもしれません。

確かに、期末に存在する棚卸資産のすべてについて調査を行い、網羅性を確保するには多大な労力を要し、全購入品について低価の事実の発生の有無を判定することは事実上不可能といってもよいでしょう。

会計においては、会計方針として棚卸資産の評価基準に低価法を選択した場合に、「つまみ食い」的に低価法が適用されれば、「利益操作」につながるものと理解されています。金額的に重要性が低いものならば、さほど問題とされない場合もあると思いますが、「恣意的な運用をしていない」という環境を確保する意味で、ルール作りやマニュアルの継続的・安定的な運用を図りたいものです。

 

税務上全額が否認されないか?

一方、税務上の心配ごとは、「棚卸資産の一部に低価法の適用漏れがあった場合には、適用全体が否認されてしまうことはないのか?」ということだと思います。

実はこれについて、法人税においては法令にも、通達にも触れたものは何もありません。

一般には「低価法の適用全体が否認されることはない」と理解されています。

つまり、棚卸資産の一部について低価法の適用漏れがあったとしても、法人の所得金額と納税額が増えるだけです。法人が単に権利を放棄したというだけであって、法人が任意に評価損の損金算入を行わなかったものとして取り扱われるだけの問題となります。

 

申告時の減算調整はできるのか?

ここで法人税法における低価法については、特定の事実が生じた場合の評価減(会計上の強制評価減)と異なり、損金経理を要求していません。従って、会計で取り込まなかった低価法の評価損があった場合に、この洩れがあった評価損相当額を法人がその申告時に減算調整することは許容されているものと解されています(税務調査による減額更正は難しいでしょう)。

新入社員研修の進め方

新入社員教育は何を行うか

平成27年度入社の新規学卒採用数はかなり伸びており、中小企業でも4月に学卒者を採るところも増えています。

新入社員教育は学生気分を払拭させ、社会人としての自覚を芽生えさせます。研修を通して次第に企業人として成長して行くスタートとも言えます。普通、新人研修は集合教育の形をとる事が多いのですが、社会人としての最低限必要な事項や職場に共通する事項等を学びます。中小企業等では例えば商工会議所や研修会社の研修を他の企業と共に受ける場合もあると思います。集合研修は数日から週単位の事が多いです。

 

社内研修と社外研修

企業内で講師を用意するOJT方式、企業外で実施するOFF・JT方式を使い分けます。  社内では実施しにくい事項は外部講師を招く等もありますが、自社の重視すべき基本事項や重要な事項は各々の会社で違うので内部で行う事が大事です。

 

自社研修のテーマの例

新入社員教育には色々なテーマが考えられます。自社の考えや必要性に応じて取り組みましょう。例を挙げると

①会社生活の基本

・就業のルール、出退勤や休憩、休暇

・人事制度 福利厚生

②会社の仕組み・知識

・経営理念 会社の沿革 社会貢献

・取引の仕組み・顧客と取引先

・主力商品やお金の流れ

・利益とコスト

・ビジョン・中期計画・組織部門と役割

③仕事の進め方、指示、報告連絡相談

・仕事の手順・計画・サイクル・優先順位

・ビジネス基本用語

④ビジネス文書 伝票、報告書、PC研修、

OA機器とソフトウエアの取り扱い等

⑤ビジネスマナー、社会人としての意識付

⑥現場作業の職場では具体的な実地訓練

他にも自社として身につけてほしい事は色々あると思います。短期間の間に全部は行えないとしても計画的に実施して行くことでスキルアップが期待できるでしょう。

会社の目標達成を目指して行う研修は新人に限らず訓練や能力開発を視野に入れて行うものとなります。

採用時の誓約書と身元保証書

4月は新年度の始まり、新入社員が入ってくる企業も多い事でしょう。採用時に提出させる書類として誓約書や身元保証書を求める会社もありますが、注意をする点について見てみましょう。

 

誓約書

誓約書は就業規則やその他の規則を守り上司の指示命令に従い真面目に働く事を誓って約束をする文書です。署名や捺印をするので新入社員の精神的な会社への帰属意識を持たせ拘束を強める役割を果たします。

誓約書の中身は一般的に次のような事柄が取り上げられます。

1、就業規則や社内規則を遵守する。

2、同僚や上司との協力、職場秩序の遵守

3、配転や人事異動の命令は従う

4、会社の体面を汚すような行為はしない

5、業務上知り得た秘密の漏えい禁止

上記のようなものが多いのですが会社独自の内容があってもかまいません。

但し法的効力は強くありません。ただ約束事ですので書面を提出させ、守らせることが目的であり必要書類と言えるでしょう。

 

身元保証書

身元保証書は使用者と保証人の間で取り交わす契約書です。身元保証書には入社する人が社員としてふさわしい人物であることを保証する側面と、その社員が会社に対し損害を発生させた場合には損害を補てんすると言う金銭面があります。社員の行為で会社が損害を受けて本人には返済できない時に保証人が代わって賠償するものです。

 

保証期間はどうか

身元保証契約の期間は最長5年です。期間の定めが無い時は3年とされています。更新する場合は最長5年ですが普通、高額な金品を扱う仕事でもなければ真面目に働いてきた人に更新はしないでしょう。

万一本人の業務上不適切で損害が発生したりして保証人責任が生ずる恐れがある時は、使用者はすぐに事実を保証人に報告しておかなければなりません。保証人に責任を追及する場合でも使用者の監督責任が問われます。また、その場合保証人は身元保証契約を解除する権利もあります。100%保証は難しいと言えるかもしれません。書面は本人が保証人に迷惑をかけてはならないと言う抑止力が働く意味では提出させる意義があると言えるでしょう。

H28.1.1以後の譲渡から適用 上場株と非上場株の損益通算不可

H25改正 株式譲渡損益通算ルールの変更

平成28年から「金融所得一体課税」が導入され、株式の譲渡損益の通算ルールが変わります。今年のうちは上場株式の譲渡でも非上場株式の譲渡でも同じ「株式等に係る譲渡所得」(分離課税)に変わりがありませんので、同一所得内で損益として通算が可能です。ただ年明け後は「上場株式等(上場株式+特定公社債)に係る譲渡所得」「非上場株式等(非上場株式+一般公社債)に係る譲渡所得」に建付けが変わることになります。

従ってH28.1.1以後の譲渡については、上場株式と非上場株式の譲渡損益を通算することはできません。株価低迷期の事業承継策で行われていた「非上場の自社株譲渡で生じた益を上場株の譲渡損とぶつける」などのプランは実行できなくなります。

 

非上場株譲渡の「損出し」は要注意!

この新法適用までは1年間の時間がありますので、当年中に上場株式を譲渡して、そこで生じた益をできるだけ非上場株の譲渡で生じた損で相殺しよう―と考える方もいるかもしれません。

ここで気をつけたいのは、非上場株式譲渡の税法の取扱いです。「時価」取引でない場合、課税トラブルを招くことがあり、特に譲渡損が生じるときには注意が必要です。

(1)個人株主から個人へ低額譲渡

個人株主が時価の1/2以下で譲渡した場合には「譲渡損はなかったもの」とみなされます。この場合「上場株式の譲渡益と非上場株式の譲渡損を通算する」というプランは成立しません。買手個人側も「著しく低額」な譲り受けは贈与税が課税されます。

(2)個人株主から法人への低額譲渡

個人株主が法人へ低額譲渡した場合には、時価で譲渡したものとみなして課税されます(「みなし譲渡」)。また、買手法人側も受贈益課税を受けます(自己株式等を除く)。

 

「時価」課税トラブルを避けるには

この非上場株式の「時価」の算定については、所得税・法人税・相続税の各通達規定が絡んだ専門的な知識が必要となります。非上場株式の取引をお考えの際には、事前に税理士に御相談下さい。

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