7月, 2017

賃金等の不利益変更

賃金等労働条件の不利益変更には、労働契約法に定められた要件をクリアする必要があり、役割貢献給の導入など、賃金制度の改定にあたって、変更内容検討・労働組合との話し合い等適正に対処しなければなりません。

 

不利益変更が可能な要件と対処法

労働契約法第9条・第10条で定めている不利益変更の可能要件の概要と、対処法は次の通りです。

要件の概要 対処法
労働者の受ける不利益の程度 改定賃金制度への移行に伴い、不利益が生じる対象者と不利益の程度を把握、代償措置・緩和措置を講じ、他の労働者の改善を示す。
労働条件の変更の必要性 経営目標の達成には、社員の経営貢献度評価と役割貢献給が不可欠である等、高度な必要性、合理性を持たせる。
労働条件変更内容の相当性 世間一般の労働条件、同業他社の労働条件と比較して相当であることを示す。
労働組合等との交渉の状況 制度改定の推進プロセスで労働組合(または社員の代表者)に、役割貢献給による賃金制度、評価制度、目標管理制度などについて、変更内容を随時説明するとともに、質疑応答で理解を深め、意見・要望を聞き、その経過を記録しておく。
その他の就業規則の変更に係る事情

 

経営上、異常な労働分配率が赤字体質の原因となっている等、特別の事情があれば、賃金制度改定目的・内容に盛り込む。

上記の要件に照らして、的確に対処し合理性がある変更であることを示す。

 

経営者・人事担当役員の留意点

制度改定を進める上でのポイントは次の通りです。

・経営上の必要性・合理性が得られるよう賃金制度改定の検討を行い、シミュレーションにより、具体的な効果や不利益変更など問題点の把握と対処法を検討する。

・労働組合、又は社員代表者への説明、協議を丁寧に行い、理解、納得を得る。

育児休業給付金の延長手続

育児休業給付の給付延長ができる時

育児休業給付金は1歳に満たない子を養育する為の休業に対して支払われる給付金で、財源に雇用保険料が使われています。子の1歳の誕生日の前々日(1歳に達する日の前日)まで支給されます。また、子が1歳に達する日より後の期間について休業する事が雇用の関係に必要と認められる場合(保育所に入所できなかった時等)は1歳6カ月に達するまで給付が延長されます。

 

給付金の延長の為の手続は

認可保育所に入所できなかった場合の延長手続には「1歳の誕生日(「パパ・ママ育休プラス制度」を利用する場合は休業終了予定日の翌日)以前を入所希望日とする保育所の申し込みをしたが入所ができなかった」事の事実を証明する為、保育所の入所申込書と入所不承諾(保留)通知書などの写しが必要となります。自治体によって入所申し込みの時期や入所可能日の手続が異なるので注意が必要です。早めに調べておきたいものです。不承諾通知書の有効期限にも注意をしましょう。1歳の誕生日直前の選考で不承諾となっている事が必要です。

また、入所保留と言う形式の自治体では毎回不承諾通知書を発行しない場合もあり、最初に発行された不承諾通知書だけでは受給要件を満たさない場合があります。1歳の誕生日に保育が可能となっていない事が明らかになる証明(待機通知等)を付けなければならない場合もあるので、必要な場合は自治体に問い合わせをしましょう。

なお、自治体から認可保育所の入所が困難であるとの説明を受けて入所申し込みを行わなかった場合は、延長給付の対象とはなりません。

 

平成29年10月よりの育児休業法改正

保育所に入る事ができず、退職を余儀なくされる事態を防ぐため、10月から育児休業が2年に延長されます。1歳6カ月を過ぎても保育園に入れない場合、会社に申請し育児休業期間を最大2年まで再延長ができるようになります。この場合も前述のような手続は必要となるでしょう。休業給付期間も2年までに延長されます。事業主は働く方やその配偶者が妊娠出産を知った場合にその方に育児休業に関する制度(育児休業中・休業後の待遇や労働条件等)を知らせる努力義務も創設されます。

リース資産の経理処理 契約途中での買い替え

よくあるケース

コピーや事務機の営業マンからリース資産のリース途中に「新機種が出たため新機種に替えて再度リースを組みなおしませんか?」と勧められる事は多いと思います。

このような場合リースの残債は新機種のリース料に上乗せされてリース契約は組まれます(厳密に言えば、ここで言うリースは所有権移転外ファイナンスリースです)。

 

経理処理は2つあります

リース料の処理を「賃借料」あるいは「リース料」の科目で支払いの都度経費処理している場合は、新リース契約によって組まれたリース料を従来通り支払いの都度、経費処理すればことは済みます。

平成19年の税法改正によりリース資産を資産計上している場合がチョット面倒です。

 

リース資産を資産計上している場合

事例でご説明します。

当初リース契約時の処理

資産 500万 消費税 40万 期間 5年

(リース資産)500(リース債務)540

(仮払消費税)40

3年経過後、新機種変更契約時の処理

新機種 300万 リース残債 200万

消費税 40万 期間 5年

当初資産はリース期間で均等償却(リース期間定額法)しておりますからその簿価は200万となっております。これに対してリース債務の残は216万となっております。   そこで以下の仕訳となります。

(リース債務)216(リース資産)200

(リース資産)500(リース債務)540

(仮払消費税)40 (雑収入)16

わかり易い事例でしたのでお気付きのことと思いますが、(雑収入)ではなく(仮払消費税)が正解です。

 

考え方

リース債務には未払消費税が含まれていて、そしてそのリース残債は免除され(仕入対価の返還)、旧資産は除却した。

(リース債務)216(免除益)200

リース債務中の消費税(仮払消費税)16

(除却損)200(リース資産)200

そして新たに新機種のリースを組んだ。

(リース資産)500(リース債務)540

(仮払消費税)40

旧機種の簿価とリース債務が必ずしも一致するとは限りません。ご留意ください。

子ども・子育て拠出金とは

全額事業主負担の子ども・子育て拠出金

子ども・子育て拠出金は平成26年度までは児童手当拠出金と呼ばれていました。

社会保険料(健康保険及び厚生年金保険)は労使折半負担となっていますが、子ども・子育て拠出金は全額企業が負担します。被保険者からは徴収しません。

平成29年度からは0.23%となりました。被保険者の厚生年金保険の標準報酬月額に料率を乗じます。標準賞与額にも同じ料率がかけられます。

例えば標準報酬月額が20万円の人は20万円×0.23%=460円となります。金額は大きい額ではありませんが、平成28年度は0.20%でしたから上限とされている0.25%までは今後も上がる事でしょう。

被保険者に子どもがいるかいないかは関係なく厚生年金の加入者は全員が拠出の対象になっています。

 

拠出金は何に充てられているか

拠出金は児童手当のみに使われている印象がありますが、地域子ども・子育て支援事業や平成28年4月から新設された仕事・子育て両立支援事業にも充てられています。

各内容を見てみます。

①児童手当事業・・・・市区町村に住民登録があり、中学校終了前までの児童を養育している人で下記の条件に該当する方に支給されます。

ア、児童が国内に居住している

イ、児童が養護施設入所や里親に委託されていない

ウ、扶養親族数に応じて所得で622万円から812万円までの限度額があります。

扶養親族数6人以上は812万円に1人38万円を加算します。

支給額は3歳未満で1人月1万5千円から中学生1人月1万円の範囲できめられます。所得制限を超えていても1人当たり5千円が支給されています。

②地域子ども・子育て支援事業・・・・放課後児童クラブ、病児保育(事業費及び整備費)、延長保育事業等

③仕事・子育て両立支援事業・・・・企業主導型保育事業(運営費及び整備費)、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業等

法人成り メリットとデメリット

軌道に乗ったら一度は考える法人成り

個人事業者が法人を設立することを「法人成り」と呼びますが、個人事業が軌道に乗ってくれば、一度は考えるのではないかと思います。なぜ、考えるのかというと、法人成りにはメリットもデメリットもあるからです。

 

一般的なメリット

①給与所得控除が使える:法人成りをして会社から給与を受け取るようにすれば、経営者自身の所得税で給与所得控除が使え、節税になります。

②消費税が最大2年間免除される:資本金が1,000万円未満の法人は、2期にわたって消費税が免税となります(但し特定期間の課税売上や、特定新設法人の規定により免除にならない場合がありますので留意してください)。

③決算期が自由に設定できる:個人事業者の場合は12月決算の3月15日申告と時期が固定されていますが、法人は決算期が自由に設定できます。

④繰越欠損金の繰越控除の年数が増える:個人は3年ですが、法人の場合は10年(平成30年4月1日以後に開始する事業年度の場合)になります。

 

一般的なデメリット

①法人設立の手間と費用:定款を定めて、登記をしなければならず、定款認証手数料や登録免許税が必要となります。

②社会保険の加入:個人事業では4人までの雇用であれば社会保険の加入義務はありませんが、法人成りすると1人でも社会保険への加入が義務付けられます。

③赤字でも7万円の法人住民税がかかる:均等割と呼ばれる部分で、赤字だったとしても税金が取られます。

 

あまり数字には出てこない「対外的な信用」

対外的な信用はどうしても個人事業よりも法人の方があるものです。融資や取引で見劣りしないように法人成りをする、というのも立派な理由です。

色々な視点から法人成りをするかしないかを判断した方が良いでしょう。

平成29年4月1日より設立・異動届出書の手続簡素化

29年より登記事項証明書の添付省略

平成29年4月1日より国税庁に提出する届出書について二つの見直しが行われています。一つは、法人設立届出書等に登記事項証明書等の添付が不要となったことです。

これは、平成25年に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」に基づいて、行政組織の壁を越えたデータ活用により、公共サービス向上を図ろうとする「登記・法人設立等関係手続の簡素化・迅速化に向けたアクションプラン」という横断的な取り組みの一つです(法人番号導入もその一環)。

法務省では、他の行政機関とオンラインで情報連携ができるような新しい登記情報システムの運用を平成32年度中に開始する予定です。国税庁はオンラインで提供される登記情報の活用を図るため、関係省庁と議論を進め、平成29年税制改正で次の対象届出書等への登記事項証明書の添付が不要となりました。

①法人の設立・解散・廃止等の届出書

「法人設立届出書」、「外国普通法人になった旨の届出書」、「収益事業開始届出書」等

②税務署の求めに応じ添付していたもの

「営業等開始・休止・廃止申告書」(たばこ税法、揮発油税法、印紙税法等)等

 

届出書の提出先のワンストップ化

また、改正前は異動前と異動後の双方の所轄税務署に提出が必要とされていた異動届出書等については、平成29年4月1日以後の納税地の異動等により、以下の対象届出書等を提出する場合、異動後の所轄税務署への提出が不要となりました。

①所得税

「納税地の変更に関する届出書」、「納税地の異動に関する届出書」、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」、「個人事業の開業・廃業等届出書」

②法人税

「異動届出書」

③消費税

「消費税異動届出書」、「納税地の変更に関する届出書」、「納税地の異動に関する届出書」

 

地方税は従前通りの取扱いのため要注意!

これらの取扱いは現行では国税のみで、地方税の届出書については登記事項証明書の添付や提出先は従前どおりですので、ご注意ください。

リースと言っても色々です

リース取引とは?

リース取引には、ファイナンスリースとオペレーティングリースがあります。

ファイナンスリースとは貸し手が借り手のために資金を出して資産を購入し、借り手に貸与すると言う仕組みで、資金を融通すると言う意味でファイナンス(金融)と呼ばれています。一般的にリースと言うと、このファイナンスリースを指します。

一方オペレーティングリースとは貸し手が持っている資産を期間を定めて貸与すると言う、基本的には長期レンタルシステムです。ですからオペレーティングリースの経理処理は、原則リース料支払い時の賃借料です。代表的な例がレバレッジドリースと言われ節税商品として売りに出されている、航空機のリース取引です。

 

ファイナンスリースとは

ファイナンスリースには所有権移転ファイナンスリ-スと所有権移転外ファイナンスリースがあります。所有権が最終的に借り手に移るかどうかで判断します。

所有権移転ファイナンスリースは最終的に所有権が借り手に移りますから、経理処理は固定資産の購入と同じ扱いとなります。

 

所有権移転外ファイナンスリース

現在組まれているリース取引の多くは所有権移転外ファイナンスリースです。

その内容は、契約終了後も所有権は借り手に移らず、契約期間中の解約が認められず、解約する場合は残債を全て支払うと言うものです。

 

経理処理は選択制

従来このリースの経理処理はリース料支払い時の賃借料処理でした。しかし、「中途解約が認められず残債は解約時に全て支払う契約は、契約時に多額の負債を簿外処理していることとなるので、会計上いかがなものか」との指摘を受け、税務上も平成19年の税制改正で所有権移転外ファイナンスリースは原則資産の購入となり、償却はリース期間定額法での均等償却となりました。

但し中小零細企業の事務負担を軽減すると言うことで、税務上は従来通りの処理も認めております。

役割貢献給への改定

現状の賃金実態が年功型となっており、社員の高齢化と相俟って年々総額人件費が増加し、経営を圧迫しつつある場合、なるべく早く役割貢献給へ改定することが必要と言えましょう。

 

役割貢献給への改定手順

役割貢献給への改定を行う場合の手順として、現状の賃金実態が年功型であり、賃金等処遇の基軸となる役割等級制度の整備も不十分なケースでは、次のような改定手順がおすすめです。

①現状の賃金実態(個人別の年齢・職種・

社内等級・月例賃金・内訳、賞与額、年収)を一覧表で表示する。

②賃金実態から、現状賃金制度の具体的な問題点をチェックする。

・職種別・社内等級別月例賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、等級間の逆転現象など不自然な点をチェックする。・賞与・年収についても同様にチェックする。

③社員全体、及び職種別の年齢別賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、年功化などの問題点をチェックする。

④社員アンケート、または聞き込み調査などにより、賃金制度・等級制度・評価制度とその運用に関する問題点を具体的に把握する。

⑤問題点を解決しうる役割貢献給の賃金体系・運用のあるべき姿について“ベンチマークすべき先行例”を探る。

⑥日本経団連等の賃金調査資料・人事院の生計費等から、職種別・等級別のあるべき月例賃金水準の見当をつけておく。

⑦自社の役割貢献給のあるべき姿について、⑤⑥を参考に基軸となる役割等級制度・改定賃金体系・賃金額・評価・反映などの運用方法を決定し、問題点解決が可能であることを確認する。

⑧個人別に現状賃金と改定賃金の差額を賃金制度移行調整額として、2~5年で償却する計画を立て、実行する。

 

経営者・人事担当役員の留意点

労働契約法で賃金等就業規則の不利益変更について、可能となる要件を「労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更内容の相当性、労働組合等との交渉の状況、その他の事情に照らして合理的なものであること」と定めており、それらに注意深く対処して改定を進めましょう。

特に都市部は大幅な上昇 29年路線価は全国平均0.4%増

29年路線価は前年比0.4%増

平成29年路線価が公表されました。全国の路線価の平均は前年比0.4%増。一昨年までは7年連続の下落傾向でしたが、2年連続の上昇となりました。これは3月公表の公示地価と同じです。以前は路線価と公示地価の前年対比率の取り方が異なっていましたが、現在は両者とも「地点ごとの変動率」を単純平均しており大差はありません。

地価公示は「土地の取引価格の指標を与えること」を目的としており、全国で約26,000地点の公示地価を3月に公表しています。一方、路線価は相続税・贈与税の課税価格として用いられるもので、計算の基礎となる調査地点(標準宅地)が約333,000地点です。こちらは件数も多いため、公表は7月となっています。なお、路線価の価格は公示地価の8割程度の評価となります。

 

鳩居堂前の路線価は過去最高額を更新

29年の路線価が前年より上昇した都道府県数は13(宮城県の3.7%増が最高)。下落は32でした(秋田の2.7%減で4年連続最下位)。ただ、下落した県のうち26は下げ幅が縮小したため、全体では上昇局面とはいえます。また、路線価の最高額は、例年どおり銀座の鳩居堂前でしたが、これに加えて「銀座プレイス前」などの4か所も1㎡当たり4,032万円で、バブル期の3,650万円を抜き過去最高とのことです。ちなみに、公示地価の29年の最高額は、同じ銀座の山野楽器本社の5,050万円です(鳩居堂前は公示地価の調査対象ではありません)。

(過去3年間の鳩居堂前の路線価・前年比)

平成27年分 26,960,000円(+14.2%)
平成28年分 32,000,000円(+18.7%)
平成29年分 40,320,000円(+26.0%)

 

上昇傾向はどこまで続くのか…

公示地価は土地の用途別で変動率が公表されており、29年は商業地が2年連続の「上昇」、住宅地は「下落から横ばい」へ、工業地は「横ばいから上昇」に転じています。

これらをあわせて考えると、オリンピック開催で都市部の地価上昇は急激な一方で、住宅需要も団塊ジュニア世代が住宅購入年齢に当たる現在は, 低金利や税制にも支えられ底堅い感じもしますが、先行指標である中古マンションの指標が鈍化していることや、生産緑地指定から30年経過する平成34年には都市圏に土地が過剰供給される懸念も囁かれていますので、オリンピック後の状況はかなり変わるものと予想されます。

平成29年改正・非上場株式の納税猶予 贈与税納税猶予と精算課税の併用可に!

非上場株式の納税猶予の適用数が大幅増!

平成21年に創設された非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予制度(いわゆる「事業承継税制」)。当初は担保提供要件や猶予取消しのリスクなどが強調され適用件数・金額とも少なかったのですが、こまめな制度改正が加えられた結果、ここにきて適用事例がかなり増えてきています。

直近の国税庁の公表数値(平成27年分)では、贈与税は270件(265億円)、相続税は224件(148億円)が納税猶予の適用を受けました。経産省の資料では平成30年の納税猶予適用の前提となる認定が贈与税533件、相続税274件あるとのことですので、今後も適用件数は増えていきそうです。

〔非上場株式の納税猶予の適用件数・金額〕

  贈与税 相続税
件数 金額 件数 金額
H25 78 47.5億円 110 67.0億円
H26 43 49.4億円 127 64.1億円
H27 270 265.7億円 224 148.1億円

この平成29年4月1日からは、経営承継円滑化法の対応窓口も地方経済産業局から都道府県に変更になりました。納税者にとって、より身近な制度となることが期待されますね。

 

贈与税の納税猶予と精算課税の併用可に!

平成29年税制改正では、贈与税の納税猶予について、相続時精算課税制度との併用が認められることとなりました。

例えば、先代経営者から後継者に贈与した自社株2億円について贈与税の納税猶予を適用した場合には、改正前では、その後納税猶予の取消しがあったときには、累進税率の暦年課税で贈与税が課税されますので、贈与税1.3億円の納付が必要でした。

〔改正前〕取消時に暦年課税

贈与時 猶予取消時 相続開始時
納税猶予 暦年課税

1.3億円納税

課税なし

今回の改正では猶予取消時に相続時精算課税を適用できることになりました。

〔改正後〕納税猶予と精算課税併用可

贈与時 猶予取消時 相続開始時
納税猶予 精算課税

3,500万納税

相続税申告

1,360万円

この改正により納税猶予取消時の税負担リスクが軽減されます。将来の経営の見通しが見えないため、納税猶予を躊躇していた経営者にとっては朗報といえるでしょう。

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