12月, 2017

年末調整における戻り税額の期待値は低めがよろしいかと…

ちょっとしたボーナス感覚の年末還付額

サラリーマンにとって年末調整はちょっとした楽しみでもあります。多くの場合、年末調整により源泉税額の還付があります。これは、毎月の源泉徴収税額が、扶養家族数等を勘案して12か月で1年分を天引きできるよう予定されていることに起因しています。年末調整では、生命保険料控除や地震保険料控除が加わり、年税額が見積額より小さくなるため、徴収し過ぎた分が還付されるためです。住宅ローン控除が適用される人は特に還付額が大きくなり、一種のボーナス的な感覚になっています。

 

期待値は低めがお勧めです

こうした期待がある中で、「去年の年末調整還付はこれくらいだったから、今年もそれくらいはあるだろう」と心弾ませている人が、予測していた金額よりも小さい還付額だったり、ましてや逆に徴収(=不足していたという理由で12月分をいつもより多く控除)されたりすると、がっくりしてしまいます。そしてそんな人の次の行動は、「計算は信じていますけど、何か間違えていませんか? もう一度確認をお願いします!!」という問い合わせをその企業の経理担当者に入れる事でしょう。

次のような場合には去年より還付が少ないか、または納税となる場合があります。

 

こんな場合は去年より還付が少ない

①扶養家族の子供が扶養から外れるくらいアルバイトで稼いでいた! ②奥さんが専業主婦だったが、年末前に離婚してしまった! ③住宅ローン控除の適用が前年までで終わっていた! ④前年海外から帰国して国内でもらった給与は12か月分なかったが、今年は12か月分であった! ⑤前年失業中の期間があり、年の途中で就職した!

まだまだ他に原因がある場合もあります。期待は往々にして裏切られることもあると認識してください。

でも、疑問に思ったら、素直に聞いてみましょう。

来日外国人興行に際しての報酬払は、源泉税の徴収漏れに注意!

来日外国人が行う講演に必要なビザと税務

世界中で大人気のヨガですが、最近もホットヨガやピラティス教室などが流行っています。こうした発祥の地が外国のものは、たとえ同じ内容であっても、本場の人(ヨガの場合はインド人)が講師の講座の方が、有難みも価値も増すように感じられることとなります。それに便乗してか、本場の外国人を招いて、1~2か月の間に日本各地を回るツアーも開催されているようです。

こうした講座の講演者が、日本で働いて報酬を得るためには、興行のビザを取得し、芸能人として税務上扱われて納税することが必要です。もし、観光ビザでやってきて、報酬の支払いに際しても何の手続きもせずに支払ってしまうと様々な問題が発生しますので、要注意です。

 

講演主催者が注意すべき税務問題

来日外国人のこうした仕事は興行の労働許可証がなければ働けません(=報酬を得られません)し、対価も非居住者(=日本に住んでいない人)に対する報酬の支払いとして、20.42%の源泉所得税を天引きしなければなりません。また、その源泉税は報酬支払者が支払った日の翌月10日までに国(=税務署)に納付しなければなりません。

源泉所得税の徴収・納税義務は支払者側にあり、これを忘れると支払者側に源泉所得税未納とその罰金の大きな負担が科されることになります。また、本来であれば源泉漏れは受け取った人から還付してもらうのですが、帰国してしまった外国人からは、通常取戻しができず、二重負担となってしまいます。十分に注意が必要です。

 

“外国”への支払いは常に源泉税に留意

外国人・外国会社・外国に居住している人にお金を支払うときには、常に、源泉所得税の問題を考えなくてはなりません。

他に、卑近な例で言うと、賃貸住宅の家主が外国に居住している人(海外に仕事で駐在している日本人が空き家を賃貸している場合を含む)や外国の法人である場合、家賃の送金に際して源泉税が控除漏れとなっているケースが多いようです。

なお、“外国”芸能人への報酬や家賃の支払いに際しての源泉税は20.42%が所得税法で決まっている料率です。ただし、租税条約で、「政府間で合意された文化交流のための特別の計画に基づき個人により行われる場合には免除」等の規定もありますので、租税条約の確認も必須の作業となります。

平均原価法の期間の取り方 総平均法と移動平均法

「総平均法」は簡便だがタイムリーでない

取得した棚卸資産の平均原価を算出し、期末棚卸資産の価額(払出単価)を算定する方法を「平均原価法」といい、「総平均法」と「移動平均法」の2種類があります。

「総平均法」は、一定期間ごとに(期首棚卸高+期中受入高)をこれらの総数で割り単価を求める方法です。簡便なのですが、一定期間が終了し、締めてみないとその期の払出単価を把握できないのが欠点です。

〈「総平均法」の商品有高帳〉

  期首・受入 払出・期末
①期首 4個/\56(@\14)  
②仕入 4個/\48(@\12)  
③売上   6個(@\11.5)
④仕入 8個/\80(@\10)  
⑥期末   10個(@\11.5)

上の例では総平均法による払出単価は、(①期首\56+②仕入\48+④仕入\80)/総数16個=@\11.5となります。

 

払出単価が随時把握できる「移動平均法」

一方、「移動平均法」は受入の都度、平均単価を改定する方法です。この方法によれば、随時単価を把握することができますが、継続記帳が必要で、手間がかかる方法です。

先程の例に移動平均法を用いる場合、③の払出単価は(期首①\56+仕入②\48)÷総数8個=@\13、期末の在庫の単価は、(③売上後在庫2個×@\13+④仕入\80)÷総数10個=@\10.6となります。

〈「移動平均法」の商品有高帳〉

  期首・受入 払出・期末
①期首 4個/\56(@\14)  
②仕入 4個/\48(@\12)  
③売上   6個(@\13)
④仕入 8個/\80(@\10)  
⑤期末   10個(@\10.6)

 

「期間の取り方」は通達を参考に!

法人税では「総平均法」は「期別総平均法」、「移動平均法」は「その都度移動平均法」を基本として考えていますが、通達では「総平均法」は「6か月ごと」「月別」、「移動平均法」は「月別」で行うことも認めています。「月別総平均法」と「月別移動平均法」は実は全く同じになるのですが、それぞれ「総平均法」と「移動平均法」の一つとされています。過去の判例では、上半期が異常であったため採用した「期末前2か月間の総平均法」が「総平均法」に該当するものか否か争われた例があります。

目標設定の合意形成手順

目標の適切さの組織としての合意形成は、目標管理制度の年度運用スタート時の重要事項ですが、ここでは、その効果的な実施手順を解説致します。

すなわち、個人目標・プロジェクトチーム目標を設定し、目標管理シートに記載した後、次の手順で合意形成を行います。

 

1合意形成ミーティングの準備

①管理者は事前に「個人目標・プロジェクトチーム目標・達成基準」を一覧で整理、記載内容、問題点、確認が必要な事項、激励したい事項等を検討しておく。

②合意形成ファシリテーションミーティングの進め方を検討する。

・全員参加・全員発言に導くため、2~4名単位の質問・討議小グループ形成

・記録担当者の指名

 

2合意形成ファシリテーションの実施

・個人目標・プロジェクトチームの目標達成基準案一覧表と目標設定チェックリスト(SMARTの原則)を配布

・ファシリテーターから参加者へ次の事項を要請。

・参加者個人別に、個々の目標が、目標設定チェックリストに合致しているか、真摯にチェックし、問題点を具体的に発見する

・問題点の指摘の仕方・指摘の受け方を次のように要請する

①指摘する側の発言は「ズバリ一言、30秒」の要領で、端的に

②指摘を受けた側は、原則として反論なし(謙虚に人の話をよく聞こう、指摘された事項について、あとでよく考えて処置を判断すれば良い、との趣旨)

・参加者が自分で設定した目標と達成基準を発表する

・小グループごとに、ファシリテーターの要請に従って、指摘点を検討し(5~10分)、代表メンバーが問題点を指摘する。記録担当者は指摘の内容(目標名・内容のポイント)を板書、または模造紙に書く等出席者全員が見られるようにする。

特に必要な場合は目標設定者が説明

・管理者(ファシリテーター)が、整理、まとめを行い、修正が必要な目標設定者と修正点を指摘

 

3管理者と目標設定者の合意形成ミーティング実施

目標の確認、達成プロセス・能力開発に関する支援の約束、期待表明と激励。

消費税 新規設立は少し慎重に

法人の新規設立にあたっては、特別な事情がない限り、なるべく長く期間をとる方向で事業年度、いわゆる決算期を決めます。その方が、設立から早めに決算期が到来する煩わしさから解放され、落ち着いて経営に専念できるといったメリットがあります。

 

・思わぬ落とし穴

消費税では、新規設立の場合(資本金又は出資金1,000万円以上の法人は除く)には、基準期間がないので設立時の事業年度と翌事業年度は、原則、免税事業者となります。

なお、基準期間とは、その事業年度の前々事業年度で、免税事業者とは、消費税の納税義務のない事業者を言います。

しかしながら、消費税の課税事業者を判定するのは基準期間だけでなく、特定期間の課税売上高等で判定する場合もあります。

特定期間とは、原則、その事業年度の前年事業年度(設立一期)で、前事業年度開始から6か月の期間を言い、そして、その期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ、給与等の支払いが1,000万円を超えていれば、その事業年度は課税事業者となり、消費税の納税義務を負うことになります。

設立一期目から好業績が予想される法人の場合、この特定期間があることで、本来、翌期は免税事業者であると予期されていたにもかかわらず、課税事業者となってしまう可能性があります。

 

・特定期間の回避策

そこで、それを回避するにはどうしたらよいか、ですが、特定期間の要件を外すこと、すなわち、設立一期の事業年度を「短期事業年度」になるように設定することです。

短期事業年度とは、(1)設立一期の事業年度が7か月以下の場合、又は(2)設立一期の事業年度が7か月を超え8か月未満の場合であって、設立一期開始の日以後6か月の期間の末日の翌日からその事業年度終了の日までの期間が2か月未満の場合で、これらの期間は、特定期間から除外されています。

なお、設立一期の後半で、特定期間の存在に気づいたときは、上記(2)の要件を満たすように決算期を変更することで翌期に課税事業者となることを回避できる場合もあります。

従業員が「iDeCo」加入時に行う事業主の手続

改正を契機に加入者増加

今年1月から改正確定拠出年金法の施行により個人型確定拠出年金(通称iDeCo)は基本的に20歳以上60歳未満のすべての方が任意で加入できるようになりました。

この改正により、今年に入ってから加入者が大幅に増加しており平成29年6月時点における加入者数は54万9943人と前年比203.8%となっています。

 

iDeCoの仕組み

iDeCoは、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金の1つであり、加入者の老後の所得確保の一助となる制度です。

加入者が自ら定めた掛け金を拠出・運用し、原則60歳以降に掛け金とその運用益の合計額を基に給付額が決定し、受ける仕組みです。

厚労省では、従業員がiDeCoへの加入を希望した場合に速やかに加入できるよう、事業主への協力を呼び掛けています。

 

事業主が行う事務手続きとは

企業で働く従業員がiDeCoに加入する際、は事業主が行わなければならない事務手続が発生します。その手続は次の通りです。

①事業所登録

加入者となる従業員(会社員等の2号被保険者)を雇用する事業所は国民年金基金連合会(国基連)に事業所登録を行います。

②事業主証明書の記入

加入を希望する従業員から提出される事業主証明書に必要事項を記入します。

③事業主証明(年1回)

年に1回、国基連加入時に得た情報を基に加入者の確認を行いますが、その際に事業主証明が必要となります。

④事業主払込の場合の掛金納付

加入者が給与天引きで事業主払込を希望した場合は源泉徴収の際に掛け金を控除します。そして事業主から国基連に納付します。

⑤年末調整

所得控除がある為、加入者が個人払込を選択した場合は年末調整が必要です。本人から小規模企業共済等掛金払込証明書を提出してもらいます。

このように従業員が個人型確定拠出年金に加入した場合でも会社として行う事務が発生します。申し出があった時は協力をしてあげる事が必要でしょう。

高額役員報酬残波事件 カルロス・ゴーンを何故問わぬ

泡盛「残波」過大役員報酬事件は、退職給与については納税者勝利、月次報酬については納税者部分敗訴につき現在最高裁に上告中です。

以下、判決文の納税者主張部分を、抜粋しました。

 

役員報酬は私的自治が妥当

税には、税を課することによって企業や個人の行動が不当に制約されることがあってはならないという中立性原則があるところ、役員給与額の決定は、まさに私的自治が妥当する分野である。・・・・機械的に過大役員給与の認定を行うことは、私的自治への不当な介入すなわち税の中立性原則を破壊するものとして、法人税法も許容していないというべきである。

 

ゴーンさんこそ高額給与

上場企業の役員給与について検討すると、自動車業界については、日産自動車の同業種類似法人として抽出されるトヨタ自動車及び本田技研工業の役員給与と比較して、日産自動車の代表取締役であるカルロス・ゴーンの役員給与は、過大役員給与となり、電気機器業界については、ソニーの同業種類似法人として抽出される日立製作所、パナソニック、東芝、富士通及び三菱電機の役員給与と比較して、ソニーの代表取締役である平井一夫の役員給与は、過大役員給与となり、総合商社については、伊藤忠商事の同業種類似法人として抽出される三菱商事、丸紅、三井物産及び住友商事の役員給与と比較して、伊藤忠商事の代表取締役である岡藤正広の役員給与は、過大役員給与となる。

被告は、上記各上場企業については、過大役員給与額に係る課税処分を行わず、原告に本件各更正処分をしたところ、合理的な理由を欠いた不平等な課税処分であるから、本件各更正処分は、憲法14条に違反する。

 

高額役員報酬規定は事実上死文化している

平成17年の会社法の成立に伴い、利益処分とされていた役員賞与は、費用として整理され、法人税法35条は、削除されることとなり、・・・・定期同額給与又は事前確定届出給与に限定されることとなり、・・・・隠れた賞与支給概念が消失し、高額役員報酬規定は死文化し、納税者への同項の適用は観念されないものとなった。

たまたま、大売れしてしまったら…LINEスタンプの収入と変動所得

LINEスタンプ収入は「変動所得」か?

無料通話・メールアプリの定番となったLINE。2014年からは利用者が自作した「スタンプ」(アプリのメッセージに挿入できるイラスト)を販売できるようになり、当初は数千万円も売り上げた制作者(クリエイター)もいました。現在は登録数も増え飽和状態のため、大ヒットは難しくなりましたが、一攫千金を夢見る人は多いようです。

このLINEスタンプの収入については、「平均課税制度が使えないのか?」という質問を受けることがあります。平均課税とは、一時的に所得が増加した人の税金負担を緩和する仕組み。スタンプ収入はいかにも当てはまりそうなものです。その対象となる「変動所得」は、所得税法で限定されており、「著作権の使用料」に係る所得がその一つに挙げられています。

 

当事者は権利関係をどう整理しているか?

では、スタンプ収入は「著作権の使用料」に当たるのかといえば、クリエイター側はそのような意識は低いかもしれません。ネットでは「デザイン(意匠)の報酬」の面が強いため、変動所得には当たらないという意見もあります。ただ、デジタルコンテンツの場合、どのような権利とも取れる側面もあり、当事者間で権利関係をどう整理しているかがポイントとなります。

参考となるのが、LINEクリエイターズマーケットの利用規約とHPのQ&Aの記載です。

利用規約では、クリエイターは、コンテンツ(LINEスタンプ)等を利用する権利(複製等または公衆送信権を含む)をLINE社に許諾し、LINE社がコンテンツ(LINEスタンプ)の配布をした場合、クリエイターに分配額を支払うという内容となっています。

また、Q&A(源泉の取扱い)では、スタンプの販売行為は「クリエイターが保有する著作権の使用に該当する」として、源泉徴収を行っていると記載しています。これらより、LINE社ではスタンプ販売は「著作権の使用」と認識しているものと考えられます。

 

Tシャツの原画使用は「著作物の複製」

源泉税の取扱いでは、アートTシャツを販売したときにイラストレーターに支払う原画の使用料は、「デザインの報酬」でなく、イラスト原画という美術品の「著作物の複製(著作権の使用)」とした例があります。

源泉税の「著作権の使用」の考え方を、そのまま変動所得の「著作権の使用」に当てはめるのはいささか乱暴かもしれませんが、参考にはなるのではないでしょうか。

目標設定の合意形成

“目標設定の合意形成”とは、目標管理制度の運用上、各年度のはじめに、個人目標・プロジェクトチーム目標が適切に設定されたことを、組織として合意形成し、認め合うことを言います。

“目標設定の合意形成”の重要性は、それが、目標達成時の貢献度評価の際、公正性・納得性を確保する基礎となる点にあります。

 

合意形成の基準と方法

目標設定の適切さを合意形成するには、評価基準・方法を定めておくことが必要です。目標設定の適切さをチェックする評価基準として「SMARTの原則による目標設定チェックリスト」が工夫されています。「SMARTの原則・チェックリスト」

キーワード チェックポイント
Specific

& Stretch

 

具体的で、かつ努力してようやく手が届くストレッチ目標
M     Measurable

 

測定可能な

達成基準は可能な限り定量化し、定量化出来ない場合でも、達成度評価が出来る程度まで具体的な表現であること

Align

 

部組織目標達成に貢献する個人目標、プロジェクト目標であること
Realistic

 

現実的なストレッチな目標であることを前提として、決して達成不可能ではないこと
Time-bound 期限付きであること

評価方法としては、同じ部署に所属し、上位の組織目標を分担して個人目標を設定した仲間が、お互いの目標の適切さをチェックリストで評価し、指摘し合う「相互フィードバック」を活用するのが最適です。

 

経営者・管理者の留意点

このような「相互フィードバック」を重要な参考として、管理者と個々の社員・プロジェクトチームによる「目標設定面談」を行い、目標設定の適切さ、達成プロセスのフォローアップ方法、能力開発努力を確認し合い、経営者・管理者の期待と支援・激励を伝えるのが、スタートに当たって最善のマネジメントと言えます。

決算期の変更に留意 法人税のほか消費税にも配慮

不動産の譲渡により多額の売却益が見込まれるとき、法人税の節税策の一環として、決算期を変更し、不動産の売却から決算期末までの期間を長くすることにより時間を確保し、その期間に合理的な施策を講じることもままあります。

 

・決算期変更による基準期間のズレ

決算期が変更されたことにより、消費税の納税義務の判定となる基準期間にズレが生じ、決算期変更前の基準期間であれば免税事業者(消費税の納税義務なし)であったものが、決算期変更後の基準期間では課税事業者になってしまうこともあります。

なお、基準期間とは、その事業年度の前々事業年度をいい、当該事業年度の課税売上高が1,000万円以下であれば、その事業年度は免税事業者になります。

例えば、12月決算法人で、平成28年12月期の課税売上高1,000万円以下、平成29年12月期の課税売上高1,000万円超であった場合で、当期が平成30年12月期であれば、当期は免税事業者となります。

現状の12月期決算であれば、平成30年3月末引渡し予定の不動産があり、その売却価額3億円、内建物の売却価額が1億円だったとして、建物価額にある消費税については消費税を納める義務はありません。

ところが、法人税の節税を意図して決算期を平成30年2月末に変更したとします。そして、予定通り平成30年3月末に不動産が引渡されれば、翌平成31年2月まで12か月間の時間が確保でき十分な節税策を講じることが可能となります。しかし、不動産の引渡しは、平成30年3月1日~平成31年2月末の課税期間となり、当該事業年度の基準期間は平成29年12月期となることから、課税事業者に該当し消費税を納めることになってしまいます。

 

・特定期間に該当する場合も

課税事業者又は免税事業者の判定は、原則、前々事業年度の課税売上高で判定するのですが、前期の課税期間前半6か月間、いわゆる、特定期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ、当該期間の給与等支払額が1,000万円を超えていれば、その翌事業年度平成32年2月期も課税事業者になってしまいます。

事業者に免税、課税となる期間がある場合には、決算期の変更により思わぬ事態を招来させることもありますので、法人税のみならず消費税にも配慮したいものです。

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