6月, 2018

特例承継計画の提出

特例承継計画とは

平成30年度税制改正において、「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」(いわゆる、事業承継税制)は、10年間の期限付きで内容が拡充されました。

主な拡充内容は以下の通りです。

  現行法

(原則)

特例
対象株式数 2/3まで すべて
猶予割合 贈与100%

相続80%

贈与100%

相続100%

対象者 1人の先代経営者から1人の後継者へ 複数の株主から最大3人へ(代表者である必要)
雇用要件 5年平均80%維持 実質撤廃(※)

(※認定経営革新等支援機関の関与を受けて、雇用の維持を出来なかった理由等を記載した報告書を提出すれば認定取消しとはなりません)

上記特例の適用を受けるための要件となるのが、特例承継計画の提出です。

作成するにあたっては、認定経営革新等支援機関(税理士事務所等)の指導及び助言を受けることが必要となります。

 

提出期間は

計画を提出することができる期間は、平成30年4月1日から平成35年3月31日までの5年間です。早めに準備を始め、忘れずに提出するようにしましょう。

 

記載内容は

では、特例承継計画には、何を記載すれば良いのでしょうか。

主な記載事項は、以下の通りです。

①後継者の氏名

②事業承継の時期

③承継時までの経営上の課題と対応策

④承継後5年間の経営計画

⑤認定経営革新等支援機関による所見

後継者を選定し、承継の時期までに現在の経営課題を解決、その後、後継者がどう会社を経営していくかを計画書に記しておくのです。

 

とりあえず提出を

実行すると他の相続対策ができなくなる等、メリット・デメリットはあります。提出期限までにとりあえず提出し、実行するかどうかは慎重に検討することが肝要かと思われます。

地上げと買換え

地上げとは 

バブル時代に「地上げ」という土地の価格を上げる手法がありました。「地上げ」の本来の意味は土地の有効活用を目的として土地を購入することを言います。

「地上げ」というとヤクザをイメージしますが、都心の再開発に貢献した面もあります。経済ヤクザのことを「企業舎弟」と言います。税務調査などが入ると社会的に認知されたと思ってか、喜んだそうです。

また、都心の土地を売って郊外に大きな土地を購入した年配の方などの中には、「社会に貢献した」と言って自慢している方もおりました。

 

地上げすると何故価格は上がるのか?

一例を挙げてみますと、一般的には余程の問題がなければ、大通りに面した土地の方が価値は高くなります。

キャプチャ1

このままでは坪150万円と坪200万円の土地は、いつまでたっても価値は変わりません。そこで、この4つの土地を「地上げ」して1つの土地にするとマンションやビルを建てられる大きな土地になるので、全ての土地の価格が坪500万円又はそれ以上になることもあります。

キャプチャ2

 

買換資産は要注意

バブルの時に地上げ等で都心の土地を売却し買換えの特例により納税の猶予を受けた方やその相続人は、既に買換えの記憶が曖昧です。資料も紛失している場合がほとんどです。申告を頼んだ会計事務所にも既に資料がない可能性があります。納税の猶予は永久に続きます。「現在の所有不動産が買換え特例を受けたものかもしれない」と心当たりがある方は、この機会に残された資料等を一度整理されてはいかがでしょうか?

中小企業の電子申告義務化?

いよいよオンライン化法からの脱皮

現行租税法体系には電子申告の規定がなく、税の申告手続きに於ける電子申告の根拠法令は、行政手続法の特別法としての行政手続オンライン化法であり、実態としては、それからの委任による、国税オンライン化省令、さらには国税庁長官告示になっています。租税法体系の条文が事実上修正・変更されています。

本年改正法人税法に突然出てきた大企業の電子申告義務化は、電子申告規定を租税法体系の中に組み込み直す第一手と思われます。大企業限定と、扱いが措置法的でありながら、法人税法本法の規定となっていることからして、いずれ大企業限定を外すこと、そして、法人のみならず個人課税の分野にも拡大することが予定されているからとしか思われません。

 

もともと問題あり、疑問ありだった

もともと、わずか全12条の行政手続オンライン化法による、制限不明な省令への委任での現行電子申告制度が租税法律主義の法体系と矛盾していないか、法治国家の法体系のあり方として不適切ではないか、ということについて、当初から、そして国税内部からも疑問が呈されていました。

電子申告開始後、概ね10年が経過するところで、この問題の解決に本格的に取り組み始めたのだと、推測されます。

 

サプライズは大企業止まり

しかし、書面で申告書を提出しても無申告扱いとなる、というサプライズな電子申告義務化規定が、中小企業を含む全法人に、さらには個人の申告に、適用されるとなると、これが租税法律主義の手続的保障原則および行政手続上の国民主権原理に反していないか、との厳格な吟味を求められることになるのは避けられません。

今のままでは、訴訟が開始されることになり、法律の規定が憲法違反と判決されるのは不可避だからです。

 

あるべき誘導措置の在り方

電子申告は、行政内部の省力化の為の絶大な切り札であることは確かなので、国民にその方向での協力を求め、その協力には、税制特例の適用の恩恵を与える、という誘導優遇措置は認められるところです。

青色申告者に与えられていた従来制度上の特典のあり方が参考になります。ペナルティを課すというのは行き過ぎです。

トップの自己管理

トップは企業の存続・発展の要として経営の基盤的存在ですが、そのための自己管理は如何になされるべきでしょうか。

 

トップの自己管理とは

 トップは次のような経営目的を完遂するために、自らなすべき事柄を確実に遂行するよう自己管理をしなければなりません。

   経営目的 自己管理の実施項目
経営理念の追求 中長期経営計画、目標管理などの推進による理念の浸透
健全な財務基盤の継続的確保 付加価値経営の推進による適正利益・内部留保の確保
全体最適、かつ挑戦的企業文化の形成 ・自ら挑戦し失敗を  恐れない企業風土づくり

・全体最適志向の決断

公正性・納得性をもつ人事処遇 経営貢献の適正な評価と貢献に応じた賃金・処遇への反映
人材の育成・確保、活用 採用~社内育成システムの制定とプロセス管理、人材活用
時間の活用 実施項目全体を的確に実現するタイムマネジメント

 

因果構造的自己管理の有用性

トップの自己管理は、このように多岐にわたりますので、混乱を招かぬように、次図に例示する「因果構造図」を意識しながら時期ごとの重点を決めてタイムマネジメントを実施すると良いでしょう。

キャプチャ

このようにして、トップ自身が「今、何のために行動すべきか」を意識しながらタイムマネジメントに取り組み、自己管理を実践なさることをお勧め致します。

署名押印廃止の残滓

署名押印の制度はなくなったのか

法人税法、地方税法、地方法人税法、復興財源確保法には、代表者と経理責任者の申告書への署名押印が義務付けられていましたが、今年の税制改正でこれが廃止されました。

所得税や消費税や相続税などには署名押印の規定はありません。ただし、国税通則法に記名押印の定めがあり、国税全般の共通の規定となっています。法人税関係も今後は、同じ扱いになります。

ところが、税理士法をみると、税理士が代理委任を受けて税務申告書等を作成するときは、税理士の署名押印は勿論のこと、相変わらず、委任者も署名押印しなければならない、と定めています。法人限定ではありません。但し、違反の申告書でも、申告書が無効になることはなく、この違反に対する罰則もありません。

 

税理士関与の電子申告の場合との関係

行政手続オンライン化法では、法令上署名押印を求められているとしても、電子申告をするのであれば、識別番号の取得や電子署名がその署名押印の代替行為になるとしています。

従って、税理士が関与する税務申告であっても、電子申告をする場合には、申告書面への署名押印は不要になります。

逆に、税理士が関与する税務申告でも、書面による申告の場合には、委任納税者の署名押印が必要、ということです。所得税でも、消費税でも、相続税でも、贈与税でも、みんなです。

 

行政手続オンライン化法との関係

今年の税制改正で、大企業の電子申告の義務化が法定されましたので、大企業では、原則として書面申告はできないことになりました。

それでは、大企業でも、税理士に委任して電子申告をすれば、電子署名が不要になるのでしょうか。現在においては、特に妨げになるものはありませんが、大企業の電子申告義務化が始まる平成32年4月1日開始事業年度以降においては、大企業については、行政手続オンライン化法に拠る電子申告の規定は適用されない、とされました。適用除外となると、税理士に委任するとしても、代表者等の電子署名は避けて通れない、ということになります。

電子申告委任の範囲

行政手続オンライン化法とその委任

行政手続オンライン化法は、申請、届出を対象としており、この申請、届出に「申告」が含まれるものなのかどうか、明らかではありません。国税通則法では、「申告、申請、請求、届出その他書類」と表現しているので、齟齬があります。

行政手続オンライン化法は、わずか12条の行政横断的な法律なので、網羅的である分、目が粗く、省令に白紙委任的です。委任できる範囲の限界も不明で、旧来の租税法体系なら政令委任になるべきものまで、省令委任になっています。

まして、電子署名を不要とすることまで、省令、その委任での国税庁長官告示で決めてしまうことを、行政手続オンライン化法が委任している、と言えるか、はなはだ疑問です。法人税法の署名押印規定は、その違反に「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」を課すもので、その署名押印の代用としての電子署名なのにです。

 

税理士関与のときの電子証明不要

国税電子化省令第5条では電子署名を義務づけています。署名押印に代わるものだからです。なお、その但し書きがあり、電子署名不要のケースがあることに触れて告示委任しています。その告示は本来、源泉税の納付のようなケースを前提としているものでした。それなのに、突然、税理士関与での電子申告では、納税者の電子署名は不要で、税理士の電子署名だけでよい、と告示に付け足しています。

その是非はさて置き、電子署名が不要とされるのは、税理士への税務書類作成委嘱者とされているので、それは通常は税務代理権限証書に押印する者としての会社代表者のことであり、経理担当者の電子署名までは不要とされていません。

 

今年の税制改正で変わる署名押印

ところで、今年の税制改正で、代表者と経理責任者の両方の自署押印の規定が廃止されました。その結果、違反者に対する「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則規定も消滅しています。

それで、書面による法人税の申告書から、経理責任者欄がなくなります。電子申告も同じです。代表者欄は、他の税金の申告書と同じで、国税に関しては、国税通則法の規定に拠り、代表者記名押印の欄が設けられます。

将来の年金額を増やすには

厚生年金加入者の増加

人生100年時代に備えて将来の年金額を増やす為、厚生年金に積極的に加入したり、年金の受給開始時期を繰り下げたりする人が増えているそうです。特に厚生年金の加入は国の予想を上回るペースであり、税制優遇措置の大きい個人型確定拠出年金(イデコ)の加入者も拡大しています。終身受けられインフレにも一定の対応がある公的年金を、長寿社会に向けた備えとして自ら上乗せを検討する人が増えています。

2016年秋に年金制度が改正され501人以上の企業で週20時間以上勤務するパート等が厚生年金の加入対象者となりました。保険料負担を嫌って短時間勤務を選ぶ人が多いとみていた厚労省社会保障審議会は加入者の増加数に驚いたそうです。新規加入者25万人の予想を上回り、昨年末時点で1.5倍の37万人が新たに加入したからです。

労働政策研究・研修機構の調査でもこの改正で働き方を変えた人の58%が手取りを減らさないよう時間延長をした上で厚生年金の加入を選んだと言う事です。

 

60歳以降の働き方も変化

60歳以降で60代前半の男性の就業者に占める厚生年金の加入率は、平成12年度の51%から16年度は67%となり60歳代後半も同35%から41%へと上昇しています。再雇用制度もあり定年後も働き続ける人は年々増えていますが「年金を増やせる働き方」を選ぶ人が増えています。企業には負担が増えますが、人手不足の中、人材確保の為に希望すれば受け入れる企業も増えています。

 

公的年金の繰り下げ支給

公的年金は原則65歳から受給できますが、70歳まで受給を遅らせると42%増額されます。平成16年度では新たに基礎年金の受給権を得た人の2.7%が繰り下げを選択、2年前の2倍弱となっています。しかし繰り下げ受給には60歳代後半を乗り切る資産や収入源等の準備も必要でしょう。

また、長期資産形成にはイデコも選択肢の一つです。掛け金を預貯金や投資信託で運用し掛け金は所得控除、運用益は非課税です。今年3月末の加入者は約85万人と16年末の2.8倍になっています。今までは個人からの掛け金拠出だけでしたが、この5月から社員100人以下企業の事業主は上乗せする事もできるようになりました。

電子申告と法的根拠

電子申告と租税法体系

電子申告の普及が足踏み状態と言われる打開策として、まず大企業の電子申告義務化が法人税法に記されました。

ところで、法人税法ほか租税法全般を眺めても、この大企業電子申告義務化条文以外に、電子申告についての規定を見つけることは出来ません。

現在の電子申告の手続きは、租税法体系の中に根拠を持つのではなく、平成14年に行政手続法の特別法として立法された行政手続オンライン化法に拠っているからです。

 

行政手続オンライン化法と省令・告示

行政手続オンライン化法は、条文数12条の短い法律で、「行政機関への申請、届出は各省令で電子手続化に出来、それを書面提出とみなし、署名押印等は不要」と定めています。他の法令で書面提出を定めていてもそれにかかわらず、と規定しているので、租税法にとっても特別法の地位にあり、特別法優先の原則が働くことになります。

この法律を承けた財務省電子化省令は、国税の電子申告のための手続きを定めています。全10条で短いです。

税理士関与での電子申告では、納税者の電子署名は不要で、税理士の電子署名だけでよい、との規定は、この省令にはなく、この省令を承けた国税庁告示に記されています。

 

電子申告と手続的保障原則

租税法律主義は憲法原則とされ、その内容の一つとして、租税の賦課・徴収は公権力の行使により国民の権利を侵害するものである以上、適正な手続きで行われなければならないとの、手続的保障原則があると解されています。行政手続きの一般原則においても、適正手続きの要請があります。

納税者の事情を考慮しない手続規定は、例え法律で定めたとしても、憲法の要請するそもそもの租税法律主義の原理的趣旨の一つである国民主権主義に反している、ことになります。

 

電子申告義務化と手続的保障原則

書面で申告書を提出しても無申告扱いとなる、という今年創設の電子申告義務化規定は、たとえ、大企業限定であろうが、租税法律主義の手続的保障原則および行政手続きの適正化の原理に反している、と思われます。

訴訟で決着を付けざるを得ないのでしょうが。

地方税の申告期限規定への疑問

法人住民税と法人事業税での申告期限

法人住民税の申告期限は、法人税準拠で、法人税の申告期限となっています。法人税の申告期限は、事業年度終了の日の翌日から2月以内と規定されています。

それに対して、事業税の申告期限は、事業年度終了の日から2月以内と規定されています。

1日のズレがあるように見えます。

 

税務通信の問題提起

1年以上前なのですが、税務通信という税務の専門誌が、申告期限に関して、国税と地方税では、異なる規定が置かれている、と指摘していました。

当の専門誌の結論は、片や国税通則法、片や民法に根拠を置いているので、同じ内容になっている、ということでした。

 

国税通則法の規定とは

国税通則法には、「期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」となっているので、事業年度の翌日と規定された初日は期間に算入です。3月決算なら、5月末日が申告期限です。

地方税法では、期間計算は民法によるとしていて、その民法では、「期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」と規定しています。

国税通則法と民法に特に違いはなさそうです。

 

事業税の申告期限は2月後の末日の前日

事業税の申告期間の規定を素直に読むと、3月決算だったら、3月31日から5月30日までの期間が申告期間で、5月30日がその最終期限となり、5月31日の提出は期限後申告となってしまいそうです。

しかし、3月決算の申告書を5月31日に提出して、期限後申告とされた事例を聞いたことがありません。

 

忖度か遠回しの批判か?

税務通信の記事は、何だったのでしょうか。忖度のつもりで、おかしいところはないと書いたのでしょうか。

そうではなくて、おかしいとは書きませんが、ここはおかしいところなんです、と遠回しに批判しているのでしょうか。

この記事を読んでいて、はじめは、忖度記事だと思ったのですが、むしろ今は、後者なのではないかと、と思っています。

出産・育児に伴う社会保険料免除

事業所に勤務していて産前産後休業及び育児休業を取る時は、申出をすれば社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が労使共に免除されます。

 

産前産後休業中の社会保険料免除

産前産後休業期間とは出産日以前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、出産日後8週間の休業期間の事でこの制度は労働基準法に定められています。産前休業は請求主義で、産後休業は強制休業です。但し出産後6週間を経過した後に本人の請求があり医師が認めれば就業する事も可能です。

出産日が予定より遅れても産前休業になります。保険料免除期間は産前産後休業期間を開始した日の属する月分から産前産後休業の終了した日の翌日に属する月の前月分までです。免除の適用を受けるには産前産後休業期間中に「産前産後休業取得者申出書」を提出しなければなりません。提出は出産予定日を目途に産前に提出できますが、予定日と実際に出産した日が異なる場合は変更(終了)届を提出します。

 

育児休業中の社会保険料免除

育児休業期間中は申出があれば子が3歳に達するまで保険料免除になります。育児・介護休業法での育児休業は子が1歳に達するまでとなっていますが、中には育児休業期間を1年以上と規定している企業もあるでしょう。また、育児・介護休業法では夫婦ともに育児休業をした場合は1歳2カ月に達するまで、保育所に入所できない等やむを得ない事情がある場合は1歳6カ月又は2歳に達するまで延長制度があります。

育児休業中の社会保険料免除は育児休業を開始した日の属する月から育児休業が終了した日の翌日の属する月の前月までとなります。免除の適用を受けるには育児休業期間中に「育児休業等取得者申出書」を提出しなければなりません。

最初に育児休業に入ったら「新規」で1歳までの間の予定期間を申出します。延長があれば1歳までを提出後、さらに1歳6カ月まで延長する場合と2歳に達するまで延長の場合は各々再度延長の申出をします。

育児休業が終了し職場復帰した際に時短勤務等で給与が下がり、休業終了日の翌日の属する月から3カ月間の平均が現在の標準報酬より1等級でも下がっていれば標準報酬月額変更届の提出ができます。

カテゴリー
お気に入り