2月, 2019

仮想通貨に関する税務上の取扱い

仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益は、原則として総合課税の雑所得に区分され所得税の課税対象となります。

 

取引区分ごとの所得の計算方法

(1)仮想通貨の売却

保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合、その売却価額と取得価額との差額が所得金額となります。

(2)仮想通貨での商品の購入

保有する仮想通貨を商品購入の際の決済に使用した場合、その使用時点での商品価額(消費税込みの金額)と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。

(3)仮想通貨と仮想通貨の交換

保有する仮想通貨を他の仮想通貨を購入する際の決済に使用した場合、その使用時点での他の仮想通貨の時価(購入価額)と保有する仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。

(4)仮想通貨の分裂

仮想通貨の分裂に伴い取得した新たな仮想通貨は、分裂時点において取引相場が存在しておらず、その時点では価値を有していないと考えられます。したがって、新たな仮想通貨を取得した時には課税関係は生じず、実際に売却又は使用した時点で所得が生じることとなります。なお、その取得価額は0円となります。

(5)仮想通貨のマイニング

マイニング(採掘)等により仮想通貨を取得した場合は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取得時点での時価)から必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いた所得金額が、事業所得又は雑所得の対象となります。

 

法人が仮想通貨を保有する場合

法人が期末において保有する仮想通貨は、会計上、活発な市場が存在する場合は、市場価格に基づく価額をその仮想通貨の貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額は当期の損益として処理します。活発な市場が存在しない場合は、取得価額をもって貸借対照表価額とし、期末における処分見込価額が当該取得価額を下回る場合には、処分見込価額を貸借対照表価額とし、取得価額との差額を当期の損失として計上しますが、税務上は当該損益の額について申告調整で自己否認することになります。

2017年から急拡大した仮想通貨市場は、今後も法整備等の動向に留意が必要です。

パートから正社員になった場合の有給休暇

パートから正社員に引き上げた時

社内にいい人材がいて、パートタイマーで働いていた方を正社員にして是非長く働いてもらいたいと考えた時、パート本人からフルタイムで働けるようになって正社員を希望した時等、パートタイム労働者から正社員に引き上げる理由は様々です。その場合は今まで働いていた期間とこれからの身分との関係で年次有給休暇の扱いは変わるのでしょうか? 今まで保持していたパート時代の有給休暇日数は引き継がれるのでしょうか?

パートタイマー労働者の有給休暇は比例付与で週の所定労働日数や年間の働く日数で変わります。パートタイマーで働いている途中で正社員に切り替わった時は有給休暇の付与日数はどう変わるでしょうか?

 

年次有給休暇付与日数の考え方

年次有給休暇付与日数を計算するポイントは勤続年数と付与する日(基準日)の雇用契約内容です。

まず勤続年数ですがパートとして雇用した日から通算して考えます。毎日勤務でなくとも勤務時間数が短くとも、継続して働いていれば雇用契約の最初の日からが勤続年数になります。パートとして雇用された日から6か月後、1年6か月後と付与する日(基準日)が到来し、基準日に締結している契約により付与する日数が決まります。注意が必要なのは、いったん白紙に戻して正社員になった時点から改めて6か月後に10日を付与する取り扱いは正しくないことです。

 

正社員に切り替えた場合の例

週3日勤務パートタイムの方が週5日勤務の正社員に変更した場合、3年6か月目に正社員になった時は正社員用の有給休暇日数の14日が新たに付与されます。

また、3年7か月目に正社員になった時は切り替え時に付与し直すのでなく、パート時で直近に付与されている日数のままで、次の基準日の4年6か月目に新たに16日が付与されます。パート時代の未使用日数分は翌年まで繰り越されます。

雇用契約内容が変わると労働条件も変わりますので雇用契約書に年次有給休暇日数も明示しましょう。

“やる気喪失”の復元策

社員の中には、「日常業務が忙しすぎて時間がない」などの理由で目標達成をあきらめかける“やる気喪失”状況に陥ってしまう者もでてくることがあります。そのようなケースで、リーダーが「あたまから叱りつけて態度を改めさせる」のは、本人の反感をあおるだけの愚策と言えましょう。

 

“やる気喪失”の効果的復元策

リーダーとしては、本人のやる気を復元させ、再度生き生きとチャレンジして欲しいのであり、そのためには、焦らず次の5つのステップを踏むことが最短距離の効果的復元策です。

[“やる気喪失”の復元策と手順 ]

  リーダーの振舞い 本人の変化
[受容]本人の問題状況を良く聞き取り、言葉で確認し、理解を示す(「本人の悩み」に寄り添う)。 「自分の悩みを分かってくれた」と感じ、リーダーを支援者として受け入れ、心を開く。
2 [原点回帰]「ところで、この目標を設定した目的は何だっけ?」と原点に戻らせ、さらに目標達成に成功した時の“HAPPY”な状況をイメージさせ、共感する。 はじめに設定した目標を思い出し、達成した時の“HAPPY”なイメージで更に強化される。

“HAPPY”な状況に到達したい願望が強くなる。

3 [ハードル解除]“HAPPY”による人生の好循環を手に入れるため時間投入の優先順位を見直すよう迫る。 “HAPPY”になるため、日常業務と目標達成の優先度と投入時間の見直しを決心して実行する。
4 [ストレッチ目標]最大限の努力で、ようやく達成できる目標を再設定してもらう。 “HAPPY”イメージとハードル解除に基づいてストレッチ目標を設定し直す。
5 [フルエンゲージメント]人生の一時期に「“フルエンゲージメント”で目標達成に取り組むことが不可欠である」と説き、動機付ける。 この時期に“フルエンゲージメント”で目標達成に取り組む価値に気付き“HAPPY”になるために、実行を決心する。

勤怠時間の把握と勤怠システム

勤怠管理をしていますか?

近年、労働時間の勤務時間を記録していないで未払い残業などを請求されるケースが増えており、一旦未払い残業代を請求されると会社側が不利な事が多く、ほぼ無力で請求された通りの結果になる可能性が高い状況になっています。

働き方改革の一環で労働安全衛生法の改正もあり、2019年4月からは管理職の労働時間の把握を企業に義務付ける方針です。また、労働基準法の改正で残業時間の上限規制(中小企業2020年4月施行)が強化され、従業員側と労使協定を交わしても年間720時間、1カ月で100時間未満まで、2カ月から6カ月平均で月80時間以内となり、上限規制が守られない時は「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」と厳しい罰則も予定されています。

まだ、労働時間を把握していない企業では、勤怠管理をして従業員の労働時間を把握することは急務と言えるでしょう。

 

勤怠管理の方法とハードル

皆さんの企業では勤怠管理方法は紙、Excel、タイムカード等何を使用しているでしょうか。勤怠管理はタイムカードや紙による管理からITを活用した勤怠管理システム導入が進んできています。勤怠管理システムとは、自動的に勤怠が集計され意図していた集計結果が表示されるものです。

1.出勤簿(勤務表)への客観的な時刻の記録が可能

2.労働時間の集計を自動化する

3.労働時間の管理強化と業務の効率化を両立する、というものです。

導入のメリット、デメリットとしては、

①労働時間の客観的把握

②労働時間、休暇取得等の管理強化

③時間集計、休暇等の業務効率化

上記の①と②は簡単に実現できますが③の業務効率化の実現ができるかどうかがポイントになります。

業務効率化がなぜ重要なポイントかと言えば、勤怠システムをそのまま使っただけではできない勤怠ルールを定義してシステムに落とし込む必要があるからです。就業や勤務形態等の状況に対応させる設定が必要です。いちいち手修正をしていては効率化が図りにくくなってしまう事があるからです。

“やる気”の源泉

社員の“やる気”の源泉は何にあるのでしょうか。リーダーにとってそれがわかれば、マネジメントは大変やり易くなります。

 

社員個々の“やる気”の源泉

一人ひとりの社員は、知識・技術や考え方、性格など、周囲が認めているか否かを問わず、何らかの優れた点を持っています。

そして、その優れた点が生かされ、認められるチャンスを待っています。そして、

①   自分の意見を述べる機会が得られ、その価値がリーダーや仲間に認められる。

②   自分の意見・存在価値が求められたと感じたことが“やる気”の源泉となる。

したがって、リーダーは、仕事の問題が生じた時、一人ひとりのメンバーに、「この場合、君ならどうするのが良いと思うかね?」など、適切な質問を投げかけて、意見を引き出すこと、その意見の価値を発見し、「あなたの意見はこういうことだね」と確認して理解したことを示すのが、“やる気”を引き出すマネジメントポイントです。

 

チームの“やる気”の源泉

課・係・プロジェクトチームなどのメンバー全員の“やる気”の源泉も、一人ひとりのメンバーの“やる気”の源泉と同様の性質を持ちますが、そこに衆知を集める相乗作用、すなわち“共創”の効果が生じる点に違いがあります。

組織としての問題や解決すべき課題が生じた時、

①   メンバー一人ひとりの意見が求められ、発表する機会が得られる。

②   メンバー相互に問題認識・課題設定・課題解決策などについて討論し、個々の意見が合意されたり、気づきによって修正され、合意形成される。

③   チームとしての合意形成により、リーダー・メンバー間で、自分達の意見・存在価値を認め合うことが“やる気”の源泉となる。

したがって、リーダーは、チームの“やる気”の源泉を沸き立たせるファシリテーションによるマネジメントを行うことが必要です。

 

経営者・管理者の留意点

“やる気”の源泉は、経営の階層を問わず、トップ層・中間管理者層・一般社員層それぞれに共通に存在することに留意してファシリテーションによるマネジメントを実践しましょう。

扶養控除等の是正について

扶養控除等の是正(扶養是正)とは

所得者の方が確定申告や年末調整で配偶者控除や扶養控除の適用を受けていたけれども、実は所得要件などが誤っており、正しくは控除が受けられなかったということがあります。そのような場合は、気付いた段階でただちに年末調整の再計算や修正申告を行って納税する必要があります。

しかし、是正せずそのままにしておくと、税務署から「扶養控除等の控除誤りの是正について」という通知が送られてきたり、電話や臨場による税務調査で是正を求められたりします。これを一般に「扶養是正」と呼んでいます。

 

扶養是正にはどのようなものがあるか

①所得超過

最も誤りが多いのが、この所得超過です。配偶者や扶養親族に一定の所得金額があるにもからわらず、所得者本人がその金額を把握していなかったことによるものです。

②重複控除

他の所得者と重複して控除を受けていたというものです。例えば、共働きの夫婦がどちらも同じ子供を扶養親族として控除していたようなケースです。

③年齢相違

特定扶養親族や老人扶養親族は、控除を受ける年の12月31日時点の年齢がそれぞれ、19歳以上23歳未満、70歳以上という条件がありますが、そのような年齢の条件に合致しない人を控除の対象としていたというものです。

④その他

扶養控除の対象となる親族は、6親等内の血族及び3親等内の姻族ですが、それ以外の親族を扶養の対象としていた場合や、白色事業専従者を扶養の対象としたケースなどがあります。また、夫と離縁した人が寡婦控除を受けるには、扶養親族や生計を一にする子がいることが要件(死別の場合や寡夫の場合は条件が違いますのでご留意ください)ですが、その要件に当てはまらないというケースもあります。

 

是正のしかた

年末調整を行っている方は、源泉徴収義務者である勤務先で年末調整の再計算を行ってもらい、追加で納付する税金を源泉徴収義務者経由で納税します。確定申告を行っている方は、所轄の税務署に修正申告書の提出と納税を行います。

改正入管法と特定技能ビザ

新たに14分野で受入れ可能に

「入管法の改正」「特定技能ビザ」、2018年の秋口から年末まで随分と騒がれました。

今まで外国人の方やビザとあまり関わりのなかった方の中にも、このニュースをきっかけに興味を持たれた方は多いのではないでしょうか。日本の出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)では、外国人の方の就労について、一定条件の下に比較的限られた職種で受け入れていました(一部の就労制限がない外国人の方を除きます)。

今回新設される特定技能ビザでは、これまでの方針では原則的に受入れが難しかった14分野について受入れを認めることになるため、大きな方針転換だと言えます。

 

受入れ可能になる新たな分野

今回の改正で受入れ可能になる分野は次のとおりです。

介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・船用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業(以上14分野)

 

特定技能ビザの構造

今回新設される在留資格「特定技能」(以下、特定技能ビザ)の具体的な受入れ要件については、省令や各分野の関係行政機関が定める「分野別運用方針」等により定められます。特定技能ビザ、と一口に言っても、受入れ可能になるのは14分野。建設業やビルクリーニング、外食業、宿泊業など、分野は様々です。そこで、今回の特定技能ビザでは、建設業であれば国交省、外食業であれば農水省など、それぞれ関係する行政機関等が法務大臣と協議の上、受入れ要件の詳細を決定するということになっています。同じ特定技能ビザであっても、受入れ要件はそれぞれの分野で異なるのです。

 

想定される受入れ要件

受入れ要件の詳細は各分野で異なりますが、受け入れる外国人材の基準として、一定の技能があることを確認するための技能試験と日本語能力判定テストが設けられることは共通しています。分野によっては雇用する企業に対し、新設される業界団体への所属義務が課されるものもあるようです。また、雇用する企業には各関係行政機関への協力や雇用状況に関する届出義務も課されるため、企業側にはより適正な雇用管理体制が求められる見込みです。

活用していますか?小規模企業共済・倒産防止共済

中小企業基盤整備機構が運営する「小規模企業共済制度」と「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)」の2つの共済制度は、節税や将来への備えとして活用している企業も多いと思います。

まだ活用していないという企業様向けにメリットと留意点を整理してみましょう。

 

退職金を積み立てる小規模企業共済

小規模企業共済は、積立てによる退職金制度で、卸売業・小売業、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む法人は従業員数5人以下、その他の業種は従業員数20人以下などといった加入要件がありますが、小規模法人の役員や個人事業主を対象としています。

掛金は月額1千円~7万円まで5百円単位で自由に設定でき、加入後も増額・減額が可能です。

メリットとして、支払った掛金の全額をその年の課税所得から所得控除できることがあげられます。同様に、1年以内に前納した掛金も所得控除することができます。また、契約者貸付制度があり、掛金の範囲内で事業資金を低金利で借りることが可能です。

掛金納付月数が240か月未満で任意解約した場合は元本割れすること、共済金受取時には所得として課税の対象となることには留意が必要です。

 

取引先の倒産に備える倒産防止共済

中小企業倒産防止共済制度は、取引先が倒産した際に連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。

資本金などの上限がありますが、1年以上事業を継続している中小企業者であることが加入要件となっています。

積立総額800万円を上限とし、掛金は月額5千円から20万円まで5千円単位で自由に設定でき、途中で増額・減額が可能です。

取引先が倒産した場合、無担保・無保証人ですぐに借入れができる、支払った掛金の全額を損金もしくは必要経費に計上できるというメリットがあります。一方で、納付月数が40か月未満で解約すると元本割れとなること、共済金受取時には益金もしくは事業所得として課税の対象となることに留意が必要です。

制度の内容をよく理解して上手に活用していきましょう。

勤怠管理システムの導入と業務効率化

勤怠システムの設定

労働時間の把握にITを使った勤怠管理システムを使用する企業は増えてきてはいますが、勤怠管理システムの利便性の面だけでなく、重要なのは各企業の就業、勤務形態に対応する設定が必要な事です。システムで自動的に勤怠が集計され会社が考えていた集計結果が出るためには、勤怠ルールを覚えさせる設定が必要になります。

勤怠システムの設定で何が必要かを見てみると、労働時間の設定では、

・標準労働時間のパターンを定義

・固定残業時間制、変形労働時間制、シフト制、裁量労働制、フレックスタイム制等

上記の各パターンに対して次のような項目の内容を決めていきます。

・始業終業時刻、休憩時間

・早出、残業時間、金額の算出方法

・休日出勤、代休、振替出勤、振替休日

・時刻訂正方法を申請書にして定義する

・電車遅延、直行直帰、出張、有給、特別休暇、時間有給等の取扱い

その他には、

・有給休暇付与のルールの定義(自動付与)

・承認者、承認ルートの設定

・給与計算システムへの取り込みフォーマットの定義

などがあります。

 

曖昧とした部分の取り扱い

出退勤管理でも曖昧とした部分の取り扱い、つまり人間的対応を求められるような場合はどのようにしたらよいでしょうか。

例えば遅刻を取り上げると、単純に遅刻、電車遅延、急病、途中で困っているお年寄りを助けた等、どの場合でも単なる遅刻とするなら問題は起きないのですが、お年寄りを助けた時だけは遅刻扱いにしない等パターンを洗い出し、設定する事が必要です。それをしないと手修正の手間が残ってしまう可能性があります。

考えられるパターンを設定する事によって効率的な勤怠管理から給与計算までのスムーズな進行、完了が可能になるでしょう。それでも例外的な事態は起こりえます。

勤怠管理システム導入はかなり時間もかかります。人事担当者の努力だけでは難しく、上部からの押し付けではうまくいかないでしょう。現場や従業員達の協力が不可欠ですが、ハードルを乗り越えれば非効率的な人事業務が解消する事に繋るでしょう。

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